「期待を大きく裏切る面白さ!」ドミノ sokenbiteaさんの映画レビュー(感想・評価)
期待を大きく裏切る面白さ!
これは面白い!
記憶を書き換えられる催眠みたいな能力によって、何が現実かわからなくなるみたいな、ほんとによくあるプロット、、というか今更こんな話で映画撮ってるのがほとんど信じられないくらいなんだけど、センス次第ではここまで面白くなるんだ!ていう驚きの一作です。
冒頭からどこか嘘っぽいというか、あーこれどっかで現実じゃないってのがわかるんでしょ、てのがうっすらと感じられるんだけど、その違和感の出し方が絶妙で。
この手の話は、普通の観客ならどっかでどんでん返し的な仕掛けがあると予想するのは当然で、それをどう裏切るかが肝、というか、そこを一生懸命裏切ろうとして中途半端に★2個半くらいに落ち着くのがよくあるパターンだと思うんだけど、この作品は実はその辺は大してひねっていないです。
逆にゴリ押しで怪しさをどんどん前面に出してくるくらいなんだけど、その一つ一つが納得感があるというか、無理なく直球でいいところを突いてくるので、なんていうか、安心してハラハラドキドキできます笑。
敵キャラの無敵感がほんとに怖いんだけと、記憶や意識をいじられる、すなわち何が現実かわからなくなるっていうのは、考えてみると普通にすごく恐ろしいことなんですよね。
ただ既に世の中にいろんなパターンが掃いて捨てるほど存在している中で、ここまでスリリングに描けるというのは、なかなかどうして、相当練り込んでいないとできない芸当だと思います。
映像的にはそれほだ凝ったことをしてるわけでもなく、演出と演技のレベルの高さが前提になっているというのもいいです。
観客を引き込むために必要なのは派手なギミックではなく、実はこういう手堅いうまさの積み重ねなんだと思います。
とにかく、これだよこれ!という感じで、観ると溜飲が下がります。
これぞエンタメ!と言うべき見事な娯楽映画だと思います。