「製作陣の都合のためにバカになった主人公」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 Ryan D Cumericさんの映画レビュー(感想・評価)
製作陣の都合のためにバカになった主人公
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製作陣のやりたいことはよく分かった。というのは、いずれ死ぬ運命にある男性との悲哀に満ちたラブストーリーである。しかし、この死ぬ運命を確定させるため、主人公は何ともおバカなキャラになってしまったのである。
具体的に言うと、例えば作中何度も語られる「日本は戦争に負ける(だから特攻は無駄)」というセリフ。当時の特攻隊員からしてみれば、どうして負けるのか、負けたらどうなるのか、などをしっかり説明されないと、主人公の発言に説得力など皆無なのである。主人公はこういうことをブツブツ言うもんだから、お前はバカなのかと思わず突っ込みたくなる。
が、しかしである。もし主人公が前述の通り説明してしまうと、どうであろうか?これでは製作陣のやりたいことである悲哀ラブストーリーなどできるがないのだ。
こうなると、やはり話のプロット自体に少々無理があったのだろう。主人公をバカにするのは苦渋の決断だったかもしれない。
余談
主人公が脚を挟まれるシーンは、予定調和すぎて笑ってしまった。観客の予想通りの展開というのも、時には上手く作用するものなのだなと感心した。
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