「思っていても口に出せない時代なのに…」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 まなさんの映画レビュー(感想・評価)
思っていても口に出せない時代なのに…
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出撃を目前に控えた石丸さんにきっと千代ちゃんも「行かないで」と言いたかったと思う。しかしそんな事が叶うはずも無いのは百も承知で、口に出してしまえば石丸さんを困らせることになる。涙を堪えつつしばらく無言ののち、「明日、お見送り行きます」と一言にとどめた千代ちゃん。この一言にそれはもうたくさんのメッセージがこめられているのだなと感じた。2点はその分。
そして、この2人の間に一時流れた悲しくも優しい時間を直後見事に打ち破ってくれた主人公。「あきら!行かないで!お願い」数秒前の感動がサーっと消えた。それはないだろう主人公。今貴女がここでそんなどストレートな感情を出してしまったら、千代ちゃんと石丸さんの言葉の少ない綺麗なシーンがあっさり別れた2人みたいな印象になってしまう。
それまでのシーンでも戦争末期を生きる人々に令和の主張を繰り広げる主人公がたびたび出てきた。誰もお国のために死にたいだなんて本心で思っている訳がないのに、それを説教する主人公が正直鬱陶しく見えてしまった。
全体的に「こんなシーン入れたいなー」を思いつきで切り貼りしたかのような平坦なストーリーで、よく言えばじっくり見なくても分かりやすい。悪く言えば大変浅い。
人に勧めようとはあまり思わなかった。
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