劇場公開日 2023年12月8日

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「これ絶対泣けるヤツ💧」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0これ絶対泣けるヤツ💧

2024年2月4日
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鑑賞方法:映画館

原作は泣ける小説としてベストセラーらしい。未読なので原作がどうなのかは知らないが、正直言って、この映画は中身が極めて薄い。
戦時下の登場人物の皆んなが皆、リアリティがなさすぎる。いくらラブ・ファンタジーだからといっても…。

だが、特攻隊を扱うこと自体が難しいのだろうとも思う。
特攻隊志願制のウソや、憲兵が庶民を制圧する暴力など、進んで学ばずとも当然に知っている世代にとっては上っ面の薄皮にしか見えないが、今の若い世代の興味を引くには、時を超えて出会ってしまった男女の悲恋物語の背景として見せるのは良いアイディアだろう。そして、そこに切り出して見せられる形としてはこれが精一杯なのかもしれない。

“特攻の母”をモデルとした食堂の女将が登場する。演じるは松坂慶子。
彼女にも壮絶な戦いがあったはずで、そこが描けていれば特攻兵の一人が自分の残りの人生の分まで長生きしてくれという言葉がより生きてきたはずで、本当なら描きたかったところかもしれない。

この映画は、太平洋戦争を、あるいは戦時下の人々をリアルに描くことが目的ではないのだと、理解しておく必要がある。
若い世代の人たちが、軍国時代の日本で何が起きたのか、当時の日本人たちがどう生きてどう死んでいったのかを学ぶきっかけにさえなれば、この映画に意義はあったと言える。
単にカタルシスで終わらないことを願うばかりだ。

と、とやかく言っても、これは泣ける!
たらたら文句を書いたくらい引いた姿勢で鑑賞しても、涙腺を刺激される。

描き方がどうあれ、現に国のために若い命を捨てた者たちが4千人もいた(海上特攻や玉砕を加えればこんな数ではない)のだ。
彼らの崇高さと勇気と無念と恐怖を思うと胸が痛む。
また、生きて帰ってこいと言えずに彼らを見送った人々の思いは、想像するに余りある。

そんな時代に現代からタイムスリップした、少しスネた女子高生・百合が見送る側の人となる。
演じる福原遥の素直さこそが、この映画を観るに値するものにしている。彼女の女優キャリアに詳しくはないが、私が知る限りの彼女の仕事はどれもこの素直さの上にあると思う。それは、彼女自身のナチュラルなのではないだろうか。

百合は、母子家庭の貧しい生活を支えるために昼夜働く母親に苛立ちを隠せないでいた。
他界した父親は他人の命を助けて自分が犠牲になった。その父親のせいで貧しい生活を余儀なくされているとも感じていた。
そんな百合をタイムスリップさせて、彼女に何をもたらせたかったのだろうか。
現在の日本の平和を感じさせたかったのか、必死で働いて養ってくれている母親に感謝させたかったのか、他人のために命を投げうった父親の崇高さを理解させたかったのか、、、
結果的に百合が得たのは、特攻隊員・彰(水上恒司)がなし得なかった夢である教師になるという夢と希望に目覚めることだった。
タイムスリップする前の百合は、進学できる成績なのに就職を希望していて、そこには貧しい生活環境での自暴自棄があって、将来に夢が持てなかったのだ。
それを踏まえれば、過去から帰還した彼女は彰を失った悲しみを乗り越えて、若者らしい夢に向かって踏み出した…ということだろうか。

繰り返しになってしまうが、意義は認めるものの、どれもこれもが中途半端で残念だ。
百合と彰の恋がストイックに徹しているので、せめて百合が想いを募らせていく様子を丁寧に描けなかったものか。福原遥の個性に頼りきった感が否めない。

蛇足だが、福山雅治がなぜ重宝されているのだろう。彼の人気に異論はないが、私は最後に流れた主題歌があざと過ぎて興醒めした。

kazz
りかさんのコメント
2024年2月23日

こんばんは♪
ご親切にコメントいただきましてありがとうございました😊
コメントを消される頻度は高いです。書いても送れない時もあります。諦めた時も。まだ、私は少ない方ですが。最近レビューも一つ無くなっていることに気づきました。『ハウス•オブ•グッチ』のです。何を書いたかも覚えていないぐらいで削除基準がわかりませんが。

ドキュメンタリーでご覧になられたのですか。観たいですね。
ネットで見ただけですが、
ご存知かと思いますが、
細長いチョコで菊の御紋が押してあるようです。注射器で入れた医師の言葉もありました。特攻って怖すぎますね。
人間魚雷の映画も観ました。特攻を考え出した人、自分も行けば良かったのに、と思います。
ご丁寧にありがとうございました😊

りか
りかさんのコメント
2024年2月23日

おはようございます😃
特効隊の人たちが出撃する際、
覚醒剤を摂取させたらしいです。
そうでもしないと間際に板倉のようにドタキャンする人もいたのでは、と予想できます。戦争風化を防ぐ為にも本作のような作品が必要になって来ますね。昔の名優出演だからといって、昔の作品なかなか観る気にならないですから。
コメ消しておきました。いつかは不明ですが、レビュー1個消されていて最近知りました🦁

りか
りかさんのコメント
2024年2月22日

追記:)
本作の原作では百合は中2らしいです。また、通う中学の前で彰に似た人と出会うラストになっているようです。そのラストにして欲しかったと思うハッピーエンド派です。🦁

りか
こころさんのコメント
2024年2月17日

kazzさん
コメントを頂き有難うございます。
コメントを頂いている事に気付くのが遅くなり大変失礼致しました。
実は、ログインが上手く出来ず、意に反して新しいアカウントで再デビューしています。
世界情勢が混迷している今こそ、中高生の皆さんにも足を運んで頂けるキャストで、是非「 『 特攻の母 』にスポットをあてた作品 」を作って頂きたいですよね。
福原遥さん、レビューに書いていらっしゃるように、素直さがとても魅力的な女優さんですね 🌱

こころ
seiyoさんのコメント
2024年2月10日

こんばんは~。共感ありがとうございます。

モヤモヤとするところも多いですが、
沢山泣いてきましたよ😁

福山雅治さんの主題歌は意見が別れていますね
福山さんはあまり知らないですが、私は好きでした。

女性向けの映画だと思います

seiyo
光陽さんのコメント
2024年2月10日

たしかに映画の中身はいまいちと私も思いましたが、若い子の間でヒットしているということで良かったと感じました!

光陽
カールⅢ世さんのコメント
2024年2月10日

福山さんの歌には強く同感。

カールⅢ世
Bacchusさんのコメント
2024年2月9日

泣きましたか〜(T_T)
おっしゃる通りリアリティが無さ過ぎでしたが、確かに若い方々には重過ぎず、このぐらいが丁度良いのかも知れませんね。
おっさん的には下の名前でと言ったら、アキラじゃなくてアキラさんって呼ぶと思ってたんじゃね?ってぐらいなところから引っ掛かりましたけどねw

Bacchus
おじゃるさんのコメント
2024年2月4日

共感&コメントありがとうございます。
戦時中のことに詳しくない私でも、リアリティのなさはやはり気になりました。とはいえ、おっしゃる通り、特攻という歴史的事実を若者にも知ってもらうという点では、大いに意義のある作品であったと思います。

おじゃる