「平和を願う、束の間の青春と成長の物語。」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 語学系営業女子90年代生まれさんの映画レビュー(感想・評価)
平和を願う、束の間の青春と成長の物語。
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原作読了の上、拝見しました。
若い女子から60代くらいまでかなり幅広い観客層でしたが、後半は各所啜り泣きが目立っていた印象です。
百合を高校生にしたことで(原作は中学生)、彰との歳の差は3-4個になり、より現代人は二人の淡い恋にも共感できた気がします。登場する演者はベテランの松坂慶子さんはもちろん、若手のメンバーも健闘しており、安心して見れました。他のラノベ実写とは作風含めて異なり、親子で観れそうな映画です。彰役の水上くんは、無骨な感じが何となくあの時代にも本当にいそうで、特に適役だったと思います。
特攻や戦争を賛美するのではなく、自爆ではないか、無意味ではないかと、今時の価値観をきちんと入れ込んでいます。優秀な学生、家族がいる人、みんな我々と変わらない人が命を落としたわけで、戦争には決して意味なんかないと全編を通して伝わってきました。
最後現代パートで、特攻から「逃げた」とされた板倉くんが、「逃れた人」となり、平和の大切さを伝えながら、天寿を全うしたという描写があり、彰の望んだ未来をみんなが繋いで、百合も繋いでいく、そんなリレーを感じた最後でした。
戦時中の体験者、語り部の方も多くがお亡くなりになっています。私が子供の頃は、祖父母に戦時中の体験を聞くという課題があった記憶がありますが、今はもうそれもないのでしょう。平和な世の中が続いてほしいと、改めて思います。
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