「死を意識することで生が輝く+純愛」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)
死を意識することで生が輝く+純愛
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泣けました。特攻を描く題材って、ジレンマです。死を意識すればするほどに生が輝く。戦時の特攻という状況ではない平穏な時代に生きているとしても、死を意識することで生を意識することは共通のことだと思います。
ストーリーは、現代の高校三年生の少女が戦争末期の1945年当時にタイムスリップして、特攻隊員と恋に落ちる。現代の考えと、戦争末期の当時の考えの対立、将来をわかっているからこそのもどかしさが伺えて、それが逆に当時の考えの純度を感じさせる。一夜の夢かと思いきや、最後の手紙が残っていることからして現実も入り混じっていて、巡り巡って生きているような輪廻転生さえ感じさせます。
生と死の強烈な相克を随所にみられて、そこに純真な相手を思うこころ、愛するこころが投影されて、泣けるシーンがたくさんありました。いまを生きているという幸せを感じる映画です。
観客は女性が7割といった感じで女性の二人連れが多かったです。女子高生も同世代の主人公だからかとても目立ちました。戦争映画ではなく、恋愛映画だということも観客の感じでわかります。
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