「怖いけど、あと一歩、あとひと匙、何かが足りない感じがした」ラン・ラビット・ラン tabotyokoさんの映画レビュー(感想・評価)
怖いけど、あと一歩、あとひと匙、何かが足りない感じがした
主人公はシングルマザー。
7歳になる娘を持ちます。
ある時家に帰ると、
ガレージが勝手に開いており、
さらに白いウサギが玄関のところに
うずくまっていました。
娘は大喜びで飼いたいと母親に言います。
母親は気乗りしませんでしたが、
しぶしぶ了承。
ところが、それから娘の様子が変わってしまいます。
手作りの、不恰好でやや怖い
ウサギのお面をつけることが多くなりました。
さらに、娘は自分のことを
「私はミアじゃない。私はアリスよ」
と別人の名前を言い出し、さらには
疎遠になっていた主人公の母・祖母に会いたいと
駄々をこねるようになります。
あまりの変貌ぶりに、母親は不安に思いつつも
はるばる車で飛ばして、祖母のいる
施設に会いに出かけました。
そこで久しぶりに会う3人の家族。
しかし、孫を見た瞬間、祖母は泣きながら
「アリス! アリスなの!?」
と喜びだします。
それを見た主人公は、恐怖に顔を引き攣らせながら
無理やり2人を引き剥がします。
…なぜ、この主人公は、こうも
アリスと名乗る少女のことを怖がるのでしょう?
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ネタバレすると、この映画は
自分の過去の罪と強制的に向き合わせられるホラー。
しかもそれを強制してくる人は、過去
主人公の手によって○された妹、というもの。
つまり○された妹による姉への復讐劇ですね。
よってラストはまあ、ああなるよなと思いました…。
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雰囲気…配色、音楽、俳優さんたちの顔、表情。
どこをとっても怖い。素晴らしい。
でもなぜだ? 何かが足りない気がしました。
シライサンを観た時と同じ気持ちになりました。
たぶん、気になる点が深掘りされずに
そのまま完走しちゃったことかな…?汗
せっかく音楽も雰囲気も怖いのに、
少し残念なホラー映画だと思います。