インスペクション ここで生きるのレビュー・感想・評価
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軍モノ強め、ゲイ感は弱め
監督の実体験に基づく映画だそうですが、
同性愛の方を、差別したり、馬鹿にしたり、傷つけたり、そんな事いたしません。
ただ、同性愛の設定が最近あまりにも多いので食傷気味…またか…と。
そんな感じで観るのが遅くなったけど、観て正解。
けっこう面白く、引き込まれて観た。
同性愛の事に限らず、いろんな事を考えさせられますね。
主人公がゲイ設定の軍モノって感じでゲイ感は弱めです。
『愛と青春の旅だち』を思い出した。
迷ってたらオススメです。
銃点検!
過去に親子に何があったのか?は、後半に行くにつれて何となく察する内容にはなっているものの。
主人公は何に拘っていて、母の譲らない頑固さは、どういう生き方から来ているのか?が、ちょっと分からなかった。
だだ自分と共通して見えたのもが、
ずっと1人で安全な居場所を求めていた事?なのかなと思った。
それを彼は海兵軍の中で見つけたんだなって、きっとはじまりに過ぎない物語なんだと思う。
コレからその仲間達と共に支え合い諦めずに自分の問題と向き合って行く未来が何となく見えた。
そして仲間達の中にもいろんな人生があってゲイとかストレートとか宗教とか白とか黒とか関係ないんだよって、
俺は受け取りました。
ゲイ要素もちょいちょい散りばめられていて笑えたりドキドキしたり、そこまで悲観的な作品でもないなって印象でした。
やっと見つけた居場所
監督自身の経験に基づく物語というが、教官や同僚たちの行動の意図が分かりづらく一貫してないので、入ってこない。特に教官。
やり過ぎちゃったのは意図的だったのか?
味方してくれる教官も最後に良いこと言うけど、だったらなんで序盤にアレをやらせたのか?
本人の体験的にはやっと見つけた居場所、ってことかと思うけど。
親子の葛藤と理解ある上官との関係が深い
観てかなり経って、そこそこ良さも不味さも味わいが思い起こされました。
要は一言でいうと人と人との関係性で、「自分はこうありたい、こういう存在だ」と一方的な主張でも駄目なんですよね。そこは自伝に近いと監督が言っておられる所以で、乗り越えられない部分でドラマにもなるものだったと思われたんですね!?
一方宣伝にある海兵隊でのしごきというか、自分の存在をかけての心の動きの描写は弱かった。理解ある上官への一方的な性衝動もありえないと思ってしまったためこの作品には辛口でしか臨めませんでした。
では
時代なのかな
107本目。
死に場所探しかと思ったけど、まあ似たような感じ。
彼が初めてではないけど、そこまで差別されながらの部分は描かれてない様に感じる。
母親とのってのもあるけど、それもそこまでって感じだし、時代が時代だから母親の行動も理解できる。
じゃあ何故この評価と思ったら、ただ戦争、ミリタリー系が好きなだけなんだと。
今週はLGBTQ関係が多めな週なのかなぁ…。
今年273本目(合計923本目/今月(2023年8月度)12本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
…といっても、大阪市では正規の公開日の放映扱いで、私がただ単に1週間遅れだけであった模様です。
ストーリーとしては、いわゆるLGBTQと、日本ではおよそ考えられない軍隊入隊という、ややセンシティブなお話。日本基準でいうと、一番近いのは韓国(現在でも入隊義務はある。朝鮮戦争は「休戦状態」の扱いに過ぎないため。なお、詳細後述)といったところです。
内容として、どうしても実際の出来事をベースにしているため、それを超えることはできないこと、またその前提でレーティングが決まっているため、「多少の強めの描写」もそれ前提であることまで考えると、仕方なしかな、といったところです。
たまたま私が見たのが1週間遅れで、「バービー」がフェミニズム思想ならこっちは「同性愛思想」のお話であり、こうしたお話を2つ以上見ることができた点については良かったかな、と思います。
内容に関しては、映画の趣旨的にどうしてもドキュメンタリータイプの映画で、それ以上にもそれ以下にも描くことができないという事情から、個々淡々と進む点はありますが、仕方なし、という扱いで、フルスコア扱いにしています。
なお、以下については細かい事情ですが、発展的な内容です。
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(減点なし/いわゆる「良心的兵役拒否」について)
この映画(舞台はアメリカ)にせよ、韓国にせよ(ほか、台湾、ドイツ等)、主に男性について入隊義務を定める国はいくつかありますが、「戦争にかかわるのは嫌」という考え方(宗教と結びつくのが通常だが、一般的道徳としてもおこりうる)もあり、それを「良心的兵役拒否」といい、これを認める国(相当するボランティア活動等で代替を認める)と、認めない国とがあります。
この点、映画の論点ではないので一切省略されていますが、国によっては、宗教と結びつく「良心的拒否」(積極的拒否と異なる。日本では戦中に無理やり当日(=検査日)に大量服薬等による兵役逃れが実際に存在した一方、敗戦が濃厚になると、どう考えても無理にでも「ある意味」誰にでも可能な特攻隊なるものまで存在していた等の事情がある)を認める国と認めない国があります。映画の論点ではないため一切省略されていますが、こうした論点が実は発展的事項として存在します。
※ 日本では、戦後では自衛隊ほかは入隊が任意になり(職業の一類型という扱い)、いわゆる「予備」もそもそも強制ではない等、配慮があります(この点、隣国とはいえ、現在でも制度が存続する韓国とは事情がそもそも異なる。日本ではこの論点は事実上存在しない)。
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歪みの中の誠実さ
言葉じゃない優しさ、仕草とは違う優しさ
伝わり辛かったり…少し歪んでたり
そんな中でも 互いを尊重しあえること
愛と呼ぶか、優しさと表現するかは分からない
それでも 温もりの光である事を感じさせてくた
どんなに過酷でも 私も 私を 諦めない
謳歌しよう 自由に縛られた この世界を
フレンチのアイデンティティを貫く姿に胸が熱くなる
ゲイであることから母親に捨てられたフレンチ。
16歳で家を出てまともな職にも就けずフラフラしていたが、25歳になって海軍兵を志し、入隊する。
壮絶な訓練の日々と、ゲイであることへの差別、いじめ、暴力にも耐えながら、それでも海軍になるために奮闘し、彼の成長を描いた美しいヒューマンドラマ。
※以下ネタバレ
後半のシーンで、フレンチが想いを寄せる教官の言葉が良かった。フレンチももう我慢ができずにシャワー室に入ってあったけど、教官はフレンチを守り、自分の使命を全うした。このシーンが一番好き。
母への渇望を描いた姿もとてもジーンときて、ラストの母との対話も良きシーンだった。
自身のアイデンティティ、性癖は変えることはできない。それでも母への愛は変わらない、愛し続ける、根気強く母と向き合っていくと。
価値観>親子関係
家を出て10年間路上生活を送っていた青年エリスが海兵隊に入隊するため必要な出生証明書をもらいに、実家へいく。母は敬虔なキリスト教徒で、ゲイである息子を決して受け入れようとしなかった。母からは「ゲイなのに海兵隊に入れるわけがない」と否定される。
入隊後は自由を奪われ、イジメのような厳しい訓練が続いた。電話の時間も限られ、各自は家族や恋人に電話をし、主人公は母にかけても繋がらない。
同期に祖父が有名な海兵隊員だという白人がおり、マイノリティや人の弱みを見つけては陰湿なイジメをする。特にシャワータイムにゲイだとバレてしまってからはターゲットになってしまった。また溺れた人を助ける水中訓練が行き過ぎ、エリスは本当に溺死寸前になる。
そんな中にも彼を庇ってくれる教官が見つかる。その教官もまたゲイであることを周囲に隠していた。ある時、携帯電話で妻と揉めているところを見かける。訓練も後半となり修了が見えてきた時、教官の部屋へ行き、携帯電話を貸してくれるように頼む。そして母に修了式に来てくれるようお願いするのだった。
迎えた修了式の日、迷っていた母も修了式に出向き、息子の晴れ姿を見る。式の後、他の修了者同様にレストランでお祝いの食事をとり、息子が「僕のおごりだ」と言う。母の楽しそうな様子を見て、エリスも幸せな気分になる。しかし母はエリスがもうゲイではなくなったと勘違いしていたのだった。真実を知った途端に母は怒り出し、レストランを去ってしまう。
追ってきた息子に対して、母はいつもの怒りの表情に悲しさをまじえて「受け入れられない」と告げた。
厳しい特訓に人種差別も加わり辛い訓練生活を耐え抜き、徐々に増えた仲間や理解者もでき、自分に自信が持てるようになった主人公だったが、母から自分を認めてもらうことはならなかった。若くして母親となってしまった彼女は、学歴はなくとも現在拘置所の職員として働くまじめな人物で、それがゆえに保守的な価値観から出られないのだろう。
テンポもよく、中だるみもなく、余韻があり、面白かった。
強かさ(エール)
いきなり突撃訪問する母親の家。そこで流れる
BGMは牧師の説教。
これで母親がバリバリのクリスチャンで多分
共和党支持者なのが分かります。
そりゃー息子がゲイなんて許せませんよね…絶対。
それでも彼は果敢に母に訴えます。
「母さん僕を理解して。」
そんなん無理に決まってますやん。
この母親の背景は日本じゃ中々理解出来ないん
でしょうね。
お母さんの立場で考えると相当ショックで何故
私の息子が。神様… ですよ。
それでも彼は我が道を行きます。
確かにマイノリティー(敢えてLGBTQとは言わない)
である事がバレてそれなりに苦労もありますが、
ちゃっかり同じ性癖の上官を見つけて楽しんでます。
彼が上官のチャックを下す時の嬉しそうな表情と
きたらそれはもう…
彼に辛く当たる同僚含め他の仲間たちは真面目(?)
に自慰してるというのにね。
私から見ると何やかや結局彼が1番この訓練過程
を充実さしてるんじゃーないのん。と思ってし
まいます。
それはラスト。母親との会食シーンでも顕著に
感じました。
(強かであれ。)
この作品は監督からのマイノリティーに対する
エールと受け止めました。
ちょっとハードルを上げ過ぎたかな。。
知らない世界を観られることは映画の醍醐味の一つです。
アメリカ映画の題材になることが多い「軍への入隊訓練」ですが、それがこの作品の「ほぼ全容」と言えます。知っているつもりのこのシチュエーションは、概ね「他の映画で観てきたもの」なのですが、この作品のそれには「語りたいこと」の表現のために「夢想、妄想」を挟みこんだりする編集が、総じて現実味を感じられない裏腹さとして付きまといます。
そもそも入隊訓練は、その過酷な状況を乗り切る体力、忍耐力、精神力に加えて、軍(今作は海兵隊)に相応しい技術や知識などを身に着ける機会だと思う(想像にすぎません)のですが、ここで描かれるシーンは全て「不条理との闘い」で、終始感情に物を言わせるばかり。何なら彼らに国を任せることに不安を覚えるほどの脆弱な設定で集中できません。
そして、この作品が語ることのキーになるシーンとセリフは既に予告で切り取られており、その予告を観て期待していただけにやや肩透かし感が否めません。とは言え、予告が悪いとも言い難く、、、
また、出演者は割と粒ぞろいながら、その配役としては「如何にも」過ぎ。見た目通りのキャラクター性で面白みに欠けるし、むしろ気のせいか既視感すらあって新鮮さはありません。
長編初作品としては無難な出来と思いますが、実話を「映画」にする難しさかな。悪くはないのですが、私の好みとしてはもう少しシンプルに描いてくれた方が良かったかな、と言うのが正直な感想です。
居場所を見つける強さ。
ゲイ、母親にも存在を認められない中、海軍入隊で自分の存在意義を見つける、ってすごすぎる。死と隣り合わせの世界なのに。アメリカらしすぎる内容かもしれないがいろいろ考えてしまう内容だなー。家族でも海兵隊でも恋人でも、つながりって必要。
ゲイのカムアウトにおいて最大の敵(難関の壁)が、なんと身内しかも...
ゲイのカムアウトにおいて最大の敵(難関の壁)が、なんと身内しかも実の母親だったと言うとんでもない現実に基づく映画。LGBТQにおいてその事実を隠して生きてゆく困難とカムアウトして一部の差別を受け入れるのか、の選択なんてそもそも酷い話です。セクシャリティの多様をただただ認めてくれればいい望むべき社会は米国とてもまだまだで、ましてや日本なんぞ最悪レベル。なにしろ「見るのも嫌だ、隣に住んでいたら嫌だ」とまで首相秘書官が言ってるレベルですから。よりによって海兵隊と言うマッチョ信仰の頂点に挑み、当然に過酷な仕打ちが待ち構えていたけれど、地獄の訓練を耐え抜いた挙句の寛容が待ち受けるとは驚き。ラストの母親との改悟で大団円と思いきやの拒絶で終わるとは。
本作でデビューのエレガンス・ブラットン監督自身のこれまでの実体験をほぼそのまま描いた作品とか。事実、作中で海兵隊の中でも記録映像の方面に進みたいとセリフにでますから。時代は微妙に2005年のイラク戦争真っ只中。以降米国防総省は、兵士が同性愛者であると公言することを禁じた米軍規定を撤廃し、同性愛を隠すことなく入隊できるようになった。これまた本作のセリフに「ゲイを排除してたら隊員が足りない・・」とも告白しているから。よって本作はそれ以前ゆえ、ゲイであることによる差別と虐めが本作の要となる。
米国映画で数多観てきた軍隊での激しい特訓風景、本作はその大半をこれに捧げる構成。冒頭、実話に基づく・・と明記しているように、描写は極力誇張を排している。逆に言えば鬼上官の侮辱の嵐もある意味ありきたりで、班長に任命された白人からの虐めもシャワーシーンと射撃シーンの僅か2回のみ。イスラム教の仲間のエピソードも中途半端。意外と優しい副上官との交流も中途半端。ラストに主人公を擁護する鬼上官シーンもあっさりしたもの。よって監督は母親の理解がない事実のみを最大限に示す意図と思われる。もう少しエピソードを膨らませて欲しかった。
主演のジェレミー・ポープ、どこかで観た覚えが・・そうNetflixの「ハリウッド」に出てましたね。キレイめのアフリカンで、耐えに耐える役が悲壮でもあるものの、妙な色気をうっかり出してしまう辺りの説得力が残念ですね、監督のせいですが。母親役のガブリエル・ユニオンや鬼上官役のボキーム・ウッドバインもベテラン中堅スターで、どこかで・・が観ている最中も頭が廻ってしまう始末。
海兵隊志望に至る理由は、「友達はムショに入るか死んでいる」厳しい現実が総て。ならば監督の体験をベースに、行き場の無い奴等としての軍隊、壮絶虐めと仲間との連携、そしてラストの寛容と拒絶をクライマックスに劇的に描けば面白くなったのに。要は、真面目過ぎました。
「お前は何故ここにいるのか」 「ここしかいる場所がないからだ」
1982年の映画〔愛と青春の旅だち〕は
居場所の無い主人公『ザック・メイヨ(リチャード・ギア)』が
航空士官候補生学校に入学し
パイロットとして生きるよすがを見つけるまでの物語り。
女工の『ポーラ(デブラ・ウィンガー)』との恋愛エピソードも挟まれるが、
それ以上に脳裏に焼き付いているのは
鬼軍曹『フォーリー(ルイス・ゴセット・ジュニア)』の苛烈とも表現したい「しごき」。
言葉で体罰で、生徒たちを心身両面で極限状態にまで追い込む。
勿論、それは生半可の状態で送り出した生徒は、
自身にも仲間にも、ひいては国家にも悪影響を与えるとの背景。
そして、生徒たちは、卒業した途端に軍曹よりも上位となり、
逆に敬礼をし、「サー」と称える皮肉な立場でもある。
もっとも、過酷な訓練が行き過ぎると
{フルメタル・ジャケット(1987年)}のような悲劇を生むのだが。
本作の主人公『エリス・フレンチ(ジェレミー・ポープ)』は
ゲイであることから実母に捨てられ、十年間のホームレス生活を経て
海兵隊に志願入隊する。
寄る辺ない身上は、先作とも類似。
その後の鬼教官の過酷な「しごき」についても。
既視感のあるシーンが
繰り返し眼前に展開される。
ただ、ゲイであることが周囲に知られ
それが為に差別を受け、更には
言われない暴力も振るわれるのは大きな違いで、
イマらしいエピソード。
それでも彼は敢然と立ち向かい
海兵になることを目指す。
作品のの舞台は「イラク戦争」の「大規模戦闘終結宣言」が出された二年後の2005年。
LGBTQ+への理解は今ほど進んでおらず、
アメリカ国内のイスラム教徒への偏見の目も厳しい。
小隊に志願したのは19名も、
最終卒業者は11名、8名は落伍との厳しい訓練。
『エリス』はどちらの側になるのか、と
母親は変わった彼を認めてくれるのか、が
ストーリーの見どころも、
過程で主人公はかけがえのない仲間を得る。
それは互いの背中を預け合えるとの絶対的な信頼。
今後何十年にも渡り続いて行くであろう宝なのに違いない。
冒頭、「実際の出来事にインスパイアされた物語」であることが提示され、
エンドロールでは主人公のモデルとなった人物の青年期の写真と
その母親の写真も提示、更には彼女への献辞も示される。
幾多の歳を越え、母親と息子の確執は氷解したのだろうか。
元々、子供への愛は揺るぎないものだったのだから。
魅力的な登場人物。無駄のない展開。
95分とコンパクトな作品。とにかくテンポが良くストーリーが展開していく。ただでさえ厳しい訓練もマイノリティというだけでよりハードになっていく、その厳しさにも負けない主人公の強い覚悟が伝わってくる。
その他の登場人物も個性豊かで、それぞれの背景を想像していまう。それぞれの登場人物の魅力が短めの上映時間でも物語の深みをもたらしていると感じた。
実話ベースの物語であることがより感情を静かに揺さぶってくる作品であった。
全55件中、21~40件目を表示