「ちょっとハードルを上げ過ぎたかな。。」インスペクション ここで生きる TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっとハードルを上げ過ぎたかな。。
知らない世界を観られることは映画の醍醐味の一つです。
アメリカ映画の題材になることが多い「軍への入隊訓練」ですが、それがこの作品の「ほぼ全容」と言えます。知っているつもりのこのシチュエーションは、概ね「他の映画で観てきたもの」なのですが、この作品のそれには「語りたいこと」の表現のために「夢想、妄想」を挟みこんだりする編集が、総じて現実味を感じられない裏腹さとして付きまといます。
そもそも入隊訓練は、その過酷な状況を乗り切る体力、忍耐力、精神力に加えて、軍(今作は海兵隊)に相応しい技術や知識などを身に着ける機会だと思う(想像にすぎません)のですが、ここで描かれるシーンは全て「不条理との闘い」で、終始感情に物を言わせるばかり。何なら彼らに国を任せることに不安を覚えるほどの脆弱な設定で集中できません。
そして、この作品が語ることのキーになるシーンとセリフは既に予告で切り取られており、その予告を観て期待していただけにやや肩透かし感が否めません。とは言え、予告が悪いとも言い難く、、、
また、出演者は割と粒ぞろいながら、その配役としては「如何にも」過ぎ。見た目通りのキャラクター性で面白みに欠けるし、むしろ気のせいか既視感すらあって新鮮さはありません。
長編初作品としては無難な出来と思いますが、実話を「映画」にする難しさかな。悪くはないのですが、私の好みとしてはもう少しシンプルに描いてくれた方が良かったかな、と言うのが正直な感想です。
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