「恐縮です」バラシファイト ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
恐縮です
超小規模公開の邦画ですが、今週は新作が少ないので、ファーストデーというのもあり劇場に飛び込みました。少し早めの上映なので、人入りは2割くらいでした。
物語の設定は、劇場の舞台のバラシをするスタッフ同士で、打ち上げに参加する権利を得るためにバトルをするという感じで進んでいきます。
設定はとても良く、互いの部署への不満をバトルに反映させたり、照明や録音、メイクに衣装、舞台装置に物販までも、自身のアイテムを持って戦うスタイルは、週刊少年ジャンプの読み切りみたいな雰囲気があってとても好きでした。
役者陣のアクションのキレも良く、回転蹴りだったり、狭い空間での足捌きも見応えがありました。要所要所で見ると、「ベイビーわるきゅーれ」シリーズと肩を並べるレベルにはアクションは良かったと思います。
過去の出来事を引きずる主人公を、きっかけひとつで再起させる展開も、ベタっちゃベタですが、結構好きな展開なので、グッと来るものがありました。
ただ、問題点も結構ある作品で、アクションの一つ一つは良いんですが、集団戦となると一気に見応えがなくなってしまいました。
上手い人とそうではない人のレベルの差が激しく、そうではない人に寄せて行かざるを得ない状況だったのだとは思うんですが、そのせいかアクションは基本的にダレながら進行して行っていたので残念でした。
機材同士をぶつけて戦うスタイルも、最初は新鮮味があったのですが、ただぶつけ合っているだけなので、後半になるにつれて、まだやってるのかというモヤモヤ感が強くなってしまいました。
一部役者陣のセリフの聞き取りづらさも中々の問題で、アクションシーンは基本的に何言ってるか分かりませんでした。アクションが主体の作品なので、そこを気にしたら負けだなとは思ったんですが、それでもアクションに飽き飽きしたところに稚拙な演技が混ざってしまうのはかなりのノイズになってしまいました。
全体的にモタモタしているので、終盤のプロデューサーとの対決も見応えがなかったですし、座長が突然打ち上げファイトをし出したりする終わり方は、かなり消化不良だなと思いました。
低予算作品なので、色々と物足りない部分はありましたが、それでも作りたいもの作ったという点と、エンタメ界が伝えたいものは体現していたかなと思いました。
鑑賞日 8/1
鑑賞時間 10:10〜11:50
座席 I-12