「真っ正直に生きているからって報われるとは限らない。それでもそんな人生を選びたい、そう思わさせてくれた」星くずの片隅で ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
真っ正直に生きているからって報われるとは限らない。それでもそんな人生を選びたい、そう思わさせてくれた
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清掃業を営む主人公ザク、暮らし向きは厳しいけれど真摯にそして正直に日々を生きている。そんなところにシングルマザーのキャンディが職を求めてやってくるが、彼女は今まで生きるために人を騙したり、盗みを働いたりして来ていた。
ザクの壊れかけた車のエンジンがキャンディの訪れと共に蘇ったときには彼女は福音なのかと想起させられるのだが・・・
ザクの母親の死が契機となって事態は思わぬ方向に暗転していく(それもキャンディの機転が災いしたのだが)けれど、ザクは現実を受け入れ、その後も正直に生きて行く。
最後の最後までザクに良きことが訪れますようにと願いながらスクリーンを見つめ続けるけれど、何も起こりはしない。
それでもザクの表情は嘘をつかない自分であることの誇らしさからか、ちっとも暗いものではないところに救いを与えられた。
我々なんて塵のような存在で神様からは見えやしない、けれどいつか福はやってくる。
ジンとくる言葉が連なります。
そしてキャンディの娘ジューの子供そのものの純真さ(だからこそ良いことも悪いこともしてしまう)も心に響きます。
何も起こらないのになんだかとても心が洗われました。自分が自分に誇れる生き方がダア維持なんだなぁ。
コロナを題材にした作品は多いと思いますが、本作はとても素敵な物語だと思います。
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