劇場公開日 2024年5月17日

  • 予告編を見る

「テーマ散逸。そして池田役が・・・。」湖の女たち えいが映画さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0テーマ散逸。そして池田役が・・・。

2024年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

吉田修一原作の映画。

原作自体、複数のテーマが散逸し、融合させきれずに終わった印象だった(吉田修一さんのファンだが、最近はちょっと凝りすぎてて良くない方向に行きつつある・・・)ので、映画ではどうするのか興味を持って見てみた。最も融合が難しそうな満州編はカットかなと思ったらしっかり(それもわりと忠実に)描いていて、大丈夫か収拾つくのかと思いながら見進めたが、結局そのまま放置な感じで終わった。

小説というスタイルでなら何となくおぼろげにされていたバラバラ感が、映像になってより鮮明に表れてしまったというのが率直な感想。映画化してはいけない作品だった。

ただ、個人的に最も気になったのは、原作では男性であるはずの編集記者の池田役!
ここにあまり突っ込んでいる人がいないのが不思議なくらいだが、若者青春群像劇のナチュラルテイストの演技で、迫力なく、覇気なく、闇深い真実に切れ込んでいったり、上司からの理不尽な指令に歯噛みしたりする若手記者にはとても見えなかった。商業的要素の絡んだキャスティングなのだろうが、この役にそれをやって欲しくなかった。

えいが映画