「私の中のリアリティーが追いつかない」グランツーリスモ 阿楠さんの映画レビュー(感想・評価)
私の中のリアリティーが追いつかない
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妻と一緒に観ました。妻はとても楽しんだようです。残念ですが私はそれほど楽しめませんでした。私の中のリアリティーが物語に追い付きませんでした。
私はストーリーにこんなことを期待していたようです。
「超絶ゲーマーであってもレーシングカーをあんなに簡単に乗りこなせて欲しくなかった。もっともっと過酷なトレーニングを乗り越えてこそ乗りこなせる化け物であって欲しかった。」
「観客1人の命を奪ってから、あんなに短時間で気持ちを切り替えて欲しくなかった。人の命の重さにもっともっと苦悩して欲しかった。」
「あんなに簡単にレースに勝って欲しくなかった。レースは主人公の才能だけでなく、チームの総合力が試される場であって欲しかった。」
実話のおいしいところ、ポジティブなところ、泣けるところを上手に拾い集めて作り上げた、とてもお金の掛かったプロモーションビデオを観ているようでした。第9地区のニール・ブロムカンプが監督していることと実話を元にしているという前情報から、私好みの物語を期待しすぎていたのでしょう。
妻には「どうしてあなたはいつもひねくれた見方なの?」と言われます。私もひねくれないで観ていたいのですが、頭の中のリアリティーを追い求めてしまうのです。
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