「たかがゲームと言わせないSIMレーサーが送る実話に基づいた感動の物語」グランツーリスモ こけさんの映画レビュー(感想・評価)
たかがゲームと言わせないSIMレーサーが送る実話に基づいた感動の物語
私自身、ゲーム自体をあまりやって来なかったが、グランツーリスモ(以下GT)はPS3だけであるがGT5、6とかなりやり込んだので非常に思い入れがある。今回映画になると聞いてGTの制作秘話や歴史をなぞっていく物語なのかと思えば、実話に基づいた物語と聞いて予告されてから公開まで非常にワクワクしていた。
今日のゲーム業界はジャンルに問わず、その地位を数年前より遥かに高く、またゲームと言えばただのお遊び、教育に悪いなどと言う人がいがちだが、今ではかなりの市民権を得ておりeスポーツなどと言う新たなジャンルを確立し、プレイヤーは陸上や水泳選手の様なアスリートとも言える存在になってきている。そのような事実を大衆に大きく広める起爆剤となり得るのが今回描かれるグランツーリスモである。
冒頭、山内一典氏(GTプロデューサー)が映り、GTの制作風景が描かれ、GTプレイヤーとしては高揚感が一気に高まった。GTで聞くあの効果音、ハンドルコントローラーを握った時のあのワクワク感。全てにおいて自分もあの頃のGTをやり込んだ時代に遡った様な没入感を得られた。
主人公はGTに熱中し、やり込んでいる本物のレーサーを夢見る少年。大学もろくに通わず、コントローラーを買うためにバイト漬け。サッカーを頑張っている弟に引け目を感じながらも本物のレーサーを夢見てGTをやり込んでいるとイギリスでGT内トップのタイムを記録し、GTアカデミーと呼ばれる本物のレーサーに一歩近づく為の切符を手に入れる。
GTアカデミーはNISSANが創立したSIMレーサーを本物のレーサーに育て上げる為の教育機関である。ゲーマー上がりのただの遊び人と揶揄されながらも主人公は夢に向かってライバル達と競い合う。NISSAN創立という事もあり、出て来る車はGT-R。匠エンジン音を存分に聞け、脳汁がドバドバである。そこでシゴかれ、どういう結末で幕を閉じるのかは是非自分の目で確かめてほしい。
困難を乗り越え、たかがSIMレーサーでと言われていた少年がプロレーサーになるまでが細部まで描かれ、レースとはドライバーだけの世界ではなくメカニックやチーフエンジニアを含めたチームオーダー一丸となって作り上げていく。その先で掴んだ勝利には鳥肌が止まらず、レースの緊張、手に汗握る展開の見せ方には本当に感動した。私自身もピットウォールから指示を出している気分になった。
洋画の日本語吹き替えにはよく女優や俳優などを起用するが、今回は声のプロ声優さん達の吹き替えということもあり、字幕ではなく吹き替えを観賞した。やはり良い。声優さん万歳。
日本語吹き替え版のテーマソングはGTと切っても切り離せないT-SQUARE。劇中にもっとMOON OVER THE CASTLEを流してくれよーとファンとして思った。この映画を鑑賞して、世論のゲームに対する方向性の行く末が益々楽しみになった。
フォローバックありがとうございます。
このアプリを始めたきっかけはただの独り言を書くだけと思いながら始めたのですが、このようにコメントを頂けると嬉しいですね。
この映画、非常に良かったです。
フォローありがとうございます
私の方からもフォローさせて頂きます。
私、10年位前から、キネマ旬報、kinenote、Yahoo映画レビューなどに映画レビューを投稿しています。現在の目標は2回目のキネマ旬報掲載です。
宜しくお願いします。
本作、カーレースシーンが多く、その迫力の圧倒されました。
実話であることにも驚くました。ゲームと現実の世界の差が着実に縮まっていることが実感できました。
また、派手なカーレースシーンが目立ちますが、主人公の成長記になっていました。主人公と彼を取り巻く人達の人間ドラマになっていました。特に、主人公と父親の確執を乗り越えた父子愛。主人公の夢を追う直向きさに触発された指導者ジャックと主人公の師弟愛がGoodでした。
仰る様にカーレースはチームプレイですが、夢を掴むのも、直向きに夢を追う本人と、それを懸命に支える本人を取り巻く人々のチームワーク、チーム力が大切だと強く納得できる作品でした。
ー以上ー