マザーズ・デイ
配信開始日:2023年5月24日
解説・あらすじ
Netflixで2023年5月24日から配信。
2023年製作/94分/ポーランド
原題または英題:Dzien Matki
配信:Netflix
配信開始日:2023年5月24日
配信開始日:2023年5月24日
Netflixで2023年5月24日から配信。
2023年製作/94分/ポーランド
原題または英題:Dzien Matki
配信:Netflix
配信開始日:2023年5月24日
単なるスーパーおばちゃんアクションかと思ったら、かなりハードボイルド。
そして前提知識が無いと、単に巻き込まれて暴れているだけにしか見えない。
ちゃんと説明して欲しいなあ。
ざっと解説すると
・舞台:ポーランド、ワルシャワ。
・主人公:元ポーランド軍、NATOの平和維持軍に参加、意趣返しの暗殺の恐れがあるので死んだことになっている。
カンダハルの話が出ているのでアフガニスタンにも行っている?
・息子をさらった相手:ドラガンというのはユーゴスラビア、セルビア系の名前。おそらくコソヴォ絡み。
・髭の協力者:AFW(ポーランドの諜報機関)所属。
・太った偉そうなおばさん:在ポーランドのセルビアの領事、コソヴォのあたりで主人公と因縁がある。
で、そういう背景で息子がさらわれたと思いきや、それを利用してギャングを壊滅させ、金を横取りしようとしたって話でした。
最後に主人公の母親が出て来るのは2作目を狙ってるのでしょう。
ポーランドや中欧(昔の東欧はソ連解体で中欧になり、東欧はウクライナ近辺を指す言葉になった)の人はすごく楽しめるだろうけど、他の国の人は背景わからないよ。
Netflixは結構そういう「ローカル知識が必要な作品」を何の説明もなく出してくるから、不親切。
ツッコミどころも少々(セーフハウスに武装が無いのはなぜ?とか、銃撃戦であまり上手では無いとか)。
まあでも面白かったです。
強すぎないところがリアルでした。
自動車解体工場のクレーンオペレーターの女性が昔訳あって養子に出した息子が誘拐されたことを知って奔走するという話ですが、この女性がポーランドの英雄で18年前に死んだことになっている殺傷能力抜群の元スパイという設定なので当然ながら全編血塗れです。やっぱり舞台が東欧だと画面の隅まで禍々しさが充ちていて、政権が変わったんだから粛清されるのは当然だよねみたいなセリフがシレッと出てくるし、敵の中ボスが完全に狂っていて自分のオフィスに自分の父親の生首のホルマリン漬けを置いて話しかけたりしててその独特な設定にボディブローを食らいます。主人公のニナのやさぐれ方も独特で、仕事帰りに立ち寄ったコンビニの前でタムロするチンピラグループに喧嘩を売ってボッコボコになったり、養父母と幸せに暮らす息子の姿を遠くから双眼鏡で覗き見したりしてます。
アクションスリラーなので当然見せ場は殺し合いなわけですが、これもかなりオリジナリティに溢れていてまず中ボスの武器が2丁スタンガン。これをドジった部下のこめかみにかまして焼き殺した時にはそんなエゲツナイ技があったかと膝を打ちました。最近のアクション映画ではもはやマストとなっている長回しワンカットも独特で普通ならひたすら主人公の動作をカメラが追うものですが、こちらは長回しの最中にあっちこっちズームインするという一層テクニカルなスタイルを使っていて感心しました。
とにかくポーランドの皆さんは顔が独特過ぎて名前もついてないような雑魚までキャラが立ってて飽きないし、そんな皆さんの死に様がバラエティに富みすぎてるので94分があっという間。よくあるエンディングと思わせておいて脇腹にエグいボディフックをかましてくる終盤の展開も斬新、ポーランド映画恐るべし!と思いました。主演のアグニェシュカ・グロホウスカ、多分すぐに名前忘れるでしょうが殺人マシーンのような冷酷さと慈愛に満ちた母性を同時に発動する佇まいがメチャクチャカッコよかったです。
あとこれ観ててびっくりしたんですがポーランドの母の日って5月26日と日付固定タイプの平日なんですね。あと前述の中ボスが電話をかけるたびに日本語で「もしもし?」って言うところに狂気とキュートさがブレンドされてて度肝を抜かれました。なんせもうとにかくどうかしてる作品でした。