「地味アニメ映画最高!!」駒田蒸留所へようこそ 93q2q2さんの映画レビュー(感想・評価)
地味アニメ映画最高!!
面白かった。
話は『王道』。ですが王道をしっかりと突いてこれる丁寧な作り。
『王道』なので下手な脚本家が書くと陳腐になりそうですが、木澤行人、中本宗応、流石です。
ウイスキー造りを違和感なくストーリーに入れてくるあたり、うまさと真摯さを感じました。
「画が超きれい」みたい映画ではありませんが、テレビでなく映画として作られていて、しっかりと描かれていました。背景の丁度いい感じの質感。抜くところは上手に抜いて
『ここ!』という所のキメ画をシッカリ。雲の表現が良かった。人物の細かい所作も描かれていて、手を抜いてない質の高さを感じました。
そして、その質を担保する為、アクターも上質で、それらが「この映画はこのレベルの映画ですよ」と教えてくれている気がしました。
『ツッコミ』入れたくなる所もありはしましたが、「話を進めて行くためなので仕方か~」とも思えましたし、それも上手くフォローしていたりして、それはそこまで気にはなりませんでした。
ですが一番ツッコミを入れたくなったのは、最初、光太郎がいい加減過ぎて「こんなやつ採る?できる編集長がこんなやつに仕事まかせる?」と思いました。そこも小野賢章と細谷佳正のうまさで耐えた気がします。下手なアクターがやってたらきっと駄目だったと思います。それでも、もうちょっと納得いく説明が欲しかったです。
丁寧な作りで役者も大げさな演技せず、演出も自然な感じに努めようとしていて、
少々クサイところも自然に入っていけて、途中から何回も色々とウルウル来ました。
P.A.WORKSの仕事系は面白く、好きなのもありますが、映画館で観て良かったです。
この映画自体の『まとまり』が良く見応えがあり、映画館で観る映画だと思います。
特に映画館で観て良かったなと思えた所は『音』です。『音』良かったです。
この映画はエンドロールまで見て欲しいです。で、早見沙織は才女で歌も上手い。
あと禁酒中の人は要注意です。ウィスキーが飲みたくなります。
そして飲む時は、お酒に感謝して飲まないといけないな、思わせてくれる、そんな映画でした。