アスファルト・シティのレビュー・感想・評価
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鑑賞動機:予告8割、ショーン・ペン2割
撮り方は嫌いじゃないが、作為的すぎるというかやりすぎて効果が薄くなっているようにも思う。手数が多いと見るか。小手先の技と見るか…。説明をすっ飛ばしてるところは良い。
さすがのショーン・ペンは、こうなんだろうなあとこちらが想像するところと、でももしかしたら別の解釈もあり得るのかも、と思わせる複雑な人物像を好演。
肉体的にも精神的にも過酷な仕事なのはよくわかるが、それでも一筋の希望がある…と思いたい。
過剰演出に感じてしまい、過酷な現場が逆に作り物に感じて少し減点
報われないお仕事
エンドロール最後に出てくる言葉がこの映画が言いたかった全てであり、映像自体は延々と具体的な活動を見せているだけなので、ハーレムの救急救命士の実情はわかるものの、物語としての面白みはそれ程ではない。
救護対象者も社会の底辺にいるような生きている価値がない連中(ごめんなさい)ばかりとかなり偏った見せ方をしてはいるが、救命士それぞれが抱えているであろう葛藤、不安、不満、精神的苦痛などを彼らなりの手段で消化しようとしており、いつバランスが崩れてもおかしくない状況下にあるという事はしっかりと伝わる。
本作は救命士自体も模範的に描かれている訳ではなく、ある意味リアルではあるが、映画化の目的を考えるとなかなかのチャレンジだと感心してしまう。
ショーン・ペンは個人的にはそれ程好きな役者ではなく出演映画はあまり観ないのだが、今こんな感じになっているのかと情報をアップグレード。
米国の救急救命士は医療行為もするし、火災現場にも突っ込んで行くしで、鈴木亮平と同じことしており、救急車が普段から消防署に待機しておらずに街中を流してるというのには驚いた。
【ニューヨークで命懸けで働く、救急救命士たちの過酷過ぎる労働環境の中で奮戦する姿をキツイ描写の数々で描き出した、問題提起作品。ラストに流れるテロップが訴えるメッセージは重いです。】
■ベテラン救急救命士ラット(ショーン・ペン)とコンビを組む事になった、医学部入学を目指す新人クロス(タイ・シェリダン)。
夜間任務を行う中で、チンピラ同士の打ち合いで心停止した若者は人口蘇生を試みるも蘇生せず、酔っ払いのオバサンや薬中のオバサンにもや罵られる。
そんな中、ラットは飄々と仕事をこなすが、ある日元妻と彼に生き甲斐であった愛娘は、引っ越しをし、仕事では薬物中毒の母親が自家分娩をした際での、ラットの新生児への対応で二人は謹慎させられ、ラットは事務職への異動を命じられる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤からキツイシーンが続く。あれでは、心身がやられるだろうな、と思っていたら同僚がクロスの事を“持って、二週間だな。”などと言っている。
・NYはこんなに荒んでいるのかというシーンの数々。救急救命士を呼ぶ殆どが有色人種であり、DV、クスリ、など様々な問題を抱えている事が、描かれる。
・徐々に疲弊して行くクロス。だが、タフに見えたラットはある日、薬物中毒の母親が産んだ新生児のに対する対応で謹慎処分になってしまう。
ー ここで、ラットの代わりに来たヘビメタ好きの救急隊員の男の態度が、マア凄い。死にそうな薬中の男が点滴を受けているのに、”いつか、死ぬだろ。”と言い、男のポケットにあったヘロインを自分のポケットに入れたり、完全に開き直っている。
だが、そうしないと神経が持たないのかもしれないな、とも思う。-
■マサカノ、9.11の修羅場を経験したラットの飛び降り自殺にはビックリする。だが、その予兆はキチンと描かれている。
今作を製作したソベール監督の”救急隊への攻撃的な反応と、慢性的な人手不足には、崩壊した医療制度がある。”という言葉が頷ける内容である。
<ラストのテロップでのメッセージは重い。”救急救命士の近年の死者数は、殉職よりも自殺が多い・・。”
それが本当ならば、米国を統べる男は他国にちょっかいを出していないで、自国の足固めをするべきではないのかな、と思った作品である。
だが、ラストシーンで、火災の中クロスが建物に飛び込み、子供を助け、病院で涙を流す母親から”貴方はあの子の命の恩人よ!”と言って抱き着かれ、ベッドで寝ている子のクロスを見る優しき目に、少しだけ救われた気持ちになった作品でもある。>
本物のタイソン!
英雄の仕事
ニューヨークはハーレムの救急救命隊員の話。
銃撃事件の現場に駆けつけたテンパる新人と、彼を引っ張るベテランに始まって、様々な現場へ急行し、様々な患者たちと向き合うEMSの姿をみせていく。
医学部を目指すピヨピヨなクロスを軸に、本当にEMSを呼ぶ必要があるの?や、本当に助けたいと思っているのか?な患者やその身内の自己中っぷりをみせたり、時に理不尽な扱いを受けるEMSの様子をみせたり…似たようなものもあるけれど、エピソードを重ねてみせていくつくりで、一つ一つのエピソードはネチネチ引っ張らないから案外クドさは感じない。
そしてそんなキレイなものばかりではない中で、感じたり経験したりするものから精神的に成長するHERO BOYということでとても良かった。
長いエンディングのラストで出たテロップもなかなか衝撃的だった。
重い気持ちになるけど、 途中でやめないで、 エンドロールの最後の最...
重い気持ちになるけど、
途中でやめないで、
エンドロールの最後の最後まで見て欲しい
4と迷ったけど、感謝と応援の気持ちを加えて4.5
それにしても、
ショーンペンが制作に関わるドラマ系の作品って、
粒揃いな気がする
生命のある一瞬の選択
アスファルト・シティ
現実を診るのではなく、生命だけに集中したいが、民族、貧困、宗教、暴力、老害、傷害、数限りないリスクとパニックが救急救命隊に、被災者だけでなく、友人、知人、支援者、利害関係者などありとあらゆるものが横槍を入れてくる。
こんな騒乱の中で、夜勤の救急救命活動をすれば、効率化、合理性、道理と言うものが自動的に育んでくる救急現場。
個人的な職業的倫理観や世界観だろうか⁈
実に危険な選択を先達が選んで行く…
然もありなんだけど…
社会正義で、人を裁くのではなく、
愚直に生命を守り、人命を救けることが必要なんだろうが…
その前に、自分が壊れてしまう。
そんな世界が救急救命隊達の成れの果て、それは殉職ではなく自殺が多いことが物語っている。
それにしても、ニューヨーク・ハーレム街は汚くてオドロシイ環境だわ…
最近の大阪難波界隈がそんな感じだなぁ
ドキュメンタリータッチ以上に生々しくて、ある意味ホラーよりも怖かった。
久し振りに良い社会派の作品を観た。
( ・∇・)
アスファルト・シティ
「ミスティック・リバー」などのオスカー俳優ショーン・ペンと「レディ・プレイヤー1」のタイ・シェリダンが主演を務め、ニューヨーク・ハーレムの救急医療現場の知られざるリアルに迫ったスリラー映画。
犯罪と暴力が横行する混沌の街ハーレム。
医学部入学を目指し勉学に励むクロスは、その一方で新人救急救命隊員として働きはじめる。
腕利きのベテラン隊員ラットとバディを組んだ彼は厳しい実地指導を受けるが、様々な犯罪や薬物中毒、移民やホームレスの終わりなき問題に直面し、自分の無力さに打ちのめされてしまう。
そんな中、自宅で早産した女性からの要請で出動するが、新生児への処置をめぐり、クロスとラットの人生は大きく狂いはじめる。
ベテラン隊員ラットをペン、新人隊員クロスをシェリダンが演じ、「ファンタスティック・ビースト」シリーズのキャサリン・ウォーターストン、「ラストデイズ」のマイケル・ピット、元プロボクサーのマイク・タイソンが共演。ジャン=ステファーヌ・ソベール監督が、元救急救命士の経験を持つ作家シャノン・バークによる実話に基づく小説を映画化。
過酷な救急医療現場で繰り広げられる生と死の極限のやり取りを描き出した。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。
アスファルト・シティ
Asphalt City
2023/アメリカ・イギリス合作
『救命士』と『バックドラフト』
監督の前作は未鑑賞ながらそんな輩ばかりが登場するのは気のせいか?
魅力を感じられないヒロインは何処からか現れて必要以上に濡れ場が過剰にも不必要に思えて引くタイミングは理解しながら薄情で潔く、これぞ子を持つ母親としての女性の強さか!?
マイケル・ピットに気付くまでに少々の時間が、徹底的に嫌な奴ながらも人間味が溢れているキャラを演じていたような。
この間はタクシー運転手で下ネタ連発?から救急車に乗り換えたショーン・ペンは期待を裏切らない渋い存在感で安心しました。
スコセッシの『救命士』でニコラス・ケイジでは無くショーン・ペンを主演にと思っていた願望が叶ったような気もする、関係無いけれど!?
タイ・シェリダンは『カード・カウンター』も良かった、そう『MUD』で注目してから何十年?
目指せ、追い抜け、バリー・コーガン、関係無いけれど!!?
今年はショーン・ペンの映画を三本も観られる最高の年、しかも〆は極上なポール・トーマス・アンダーソンで間違い無し!!!
しかし『ドライヴ』でライアン・ゴズリングが着ていた蠍の上着以来に気になってしまったタイ・シェリダンのデカい翼が刺繍された上着、正しく着る人を選ぶ服だなぁ!?
ピポピポ救急車
暗い、暗い、とにかく暗い。内容も映像も暗い。ともすれば感動押売りになる救急救命モノも、助けられる側によってはこうも救いのない話となるのか。報われない過酷な業務のなか、心が病んでいく救急救命士たちのお話。エンドクレジットの「隊員の自殺者は殉職者より多い」の説明はやりきれない。
ベテランと新人という定番のバディもので、先輩のショーン・ペンが苦労を皺に刻み込んできたという風貌でいい味出してます。ボス役でマイク・タイソンが出演しているので要チェック。あと、犬好きのヒトには要注意シーンあり。
本作映像に予告編ナレーターの山路“ステイサム”和弘氏が歌う「ピポピポ救急車」を被せたコラボ映像(キノフィルムズ公式がYoutubeに上げてる)は作品鑑賞後に見るとなかなかにシュールです。
過酷な現実
ベテランと新人のバディものと
タカをくくってました。
人の命を救うために奔走する彼らが
あまりにも過酷な現実に晒され
心を病んでいく。
命の尊さを現場でまざまざと
感じているはずの彼らが
自らの命を断つほどに病んでいく。
そんな事ってありますか。
観ていてとても胸が苦しくなる作品でした。
多くの人に劇場でぜひ見てほしい。
ちゃんと感じて欲しい。
そして彼らに対してもっとリスペクトするべき
タイトルロールの後の説明と献辞が泣ける
映画館の予告、短いのを目にしただけで、なんとなくみに行きました
最初は夜を赤いライトで照らした不穏な画面がキライだし
ざらついたり、虫の羽音だったり、不快な音も楽しめなかった
思ったのと違うな〜でした
最後は穏やかな陽を浴びたストリートを緩やかに流していくフロントグラスの
車窓の眺めが気持ちいい〜ここのスコアは耳に優しい♪
それで説明文となくなった隊員への言葉が読めるわけですが、
これがあって製作者の意図がしっかり沁み込みます
行ってよかった映画館
最後まで観てよかったよかった
ほとんど虫の息だが、かろうじて良心はあると語っている
ラット(ショーン・ペン)が9•11にも出動したと言った場面で、当時のある記事を想い出した。
ビル崩落で、警察、消防、救命、にも多くの犠牲者が出たが、家に戻って来ず、おそらく落命したと思われる“夫”の妻たちが、生活のため銀行に払い出しを求めた際、銀行側は、所属部署と名前だけで現金を渡したのだが、実際、多くの“ニセモノ家族”が現れ、その詐取被害額は50億円超だったとか。しかし当局は敢えて追求しなかったという。讃えられるべき英雄達の美談のウラにはこんなこともあったのだ。
エンドロールで救命士の自殺は殉職者より多いとの字幕。ラットの自殺の原因はもちろん良心の呵責に苛まれてという単純なものではない。元妻と娘が去り、事務職への異動、なにより相棒に同調されないという、ことどもである。
いかがわしいタクシー運転手から、ハーレムの夜を疾駆する救命士に転身のショーン・ペン!かわらず渋い演技。“最新の元妻”は笑えたし、娘と遊ぶシーンはホッコリする。
一方、主人公クロスの人物造形は、バスルームで母親がリストカットして死んだ時、なにもできない八歳児で、そのトラウマを抱え、いまは医学部入学を目指しなから新人救命士として働く青年というありがちな設定。
人命救助の激務、助けているにもかかわらず浴びせられる罵詈雑言、仲間からの嫌がらせ、暴力、麻薬、通じない言葉! 当然のように疲弊し、壊れてゆくしかない。
話を盛って作るのが映画なのだが、ここでは逆に現実を矮小化しなければスケールに収まらないというジレンマがある。ゆるいドラマなら、ここらで一服、友人に愚痴るとか、海を見に行くとか、だが“感傷”など入れ込むスキはない。うっぷん晴らしはもっぱら子持ち女とのセックスだけという日常だ。
問題のヤク中女にクロスが謝罪しに行く場面はやるせない。腕にヘロイン注射を刺したまま、HIV陽性、感染予防薬も無視、そのくせ逆ギレする人間を相手にする必要があるのか!新生児殺しを目論んだラットを断罪する安直な発想に意見したい!ほとんど永久に解決をみないハーレムの現状、人種のるつぼのリアル!
ラストでクロスが見せる、ほのかな笑みは、かろうじて、かろうじて良心はまだ残っているというメッセージだろうか。
ジメッとした梅雨空に爽やかな一本!
けっこうよかった
『救命士』や『ミッドナイトファミリー』など救命士の映画はこれまで外れがないため、大いに期待して見に行く。おっかない先輩と新人のバディものだ。けっこう面白かったけど、主人公がとにかく暗い。暗いわりに真っ赤な鷲の羽のスカジャンを着ている。意味ありげに部屋に同じ羽の絵が飾ってあるが、それ以上にキャラとの違和感が強い。踊り行くタイプにも見えないし、まんまとナンパに成功してセフレができる。なんだこいつ。
ショーン・ペンの人生が苦い。挙句に飛び降り自殺して脳みそが出る。あんなかわいい子がいて、時々しか会えなくなるとはいえ、何も死ななくてもよさそうなものだ。鬱だったのだろうか。
意地悪な先輩がいて、あいつは仕事はちゃんとできるのだろうか。救急車を呼んであんなのがきたらすごく嫌だ。また地域の治安が最悪で駆けつけるとみんな刺青だらけ。
主人公は医学部受験の腰掛で就業していたけど、そんなに簡単に採用してもらえるのだろうか。日本は地方公務員だ。
救急隊員の心労
過酷な救急救命士
医療システムの崩壊が招いたものとは
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