「生きている実感」アスファルト・シティ HKさんの映画レビュー(感想・評価)
生きている実感
クローズアップの多い画面構成で
救急現場の臨場感が伝わってくる。
そこで描かれるのは、感動物語のほとんどない、
厳しい現実、社会問題だらけの世界。
一見クールでドライに生死に接しているようにみえるベテランの救急隊員でさえ、
いや、だからこそ、ほんとうは生きている実感や人間的なつながりを
ときには暴力という形でも、心の底から欲していることが、力強く表現されている。
ショーン・ペンからはそんな複雑な心情がビリビリ伝わってくる。
ちょっとした間とか、目線とか、仕草とかほんとうに凄い。
現代的な音楽もすばらしい。
とくにラスト、金管楽器の単一和音を軸に鳴らされるサウンドは、
少し宗教的で、隊員達への賛歌のように響く。
映像、音楽、物語すべてに、ほんとうに心を揺さぶられました。
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