劇場公開日 2025年6月27日

「これが現実?」アスファルト・シティ shin-zyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5これが現実?

2025年7月20日
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一瞬「ドライブ・イン・マンハッタン」の続編かと⋯主人公(ショーン・ペンのほう)が客への失礼な言動でタクシードライバーをクビになって転職と⋯。そんなことはもちろんないのですが、安定のショーン・ペンさんの演技がとにかく光っていました。
この映画では、相棒の若者には厳しいながらも優しく指導し導いていきます。若者も大きな目標があり、そのための足掛かりとして救急隊員として従事しますが、仕事でもプライベートでも様々な困難にぶち当たりもがき苦しみます。
この2人がコンビを組み現場で様々な状況に直面していきますが、それがもう過酷であることこの上ない。
せっかく助けようと必死に手当てしようとしてるのに、脅されたり、罵詈雑言を浴びせかけられたり、小突かれたりともうこれでメンタルがやられなかったら不思議なぐらい人間の尊厳を傷つけられます。もっとも、作品の舞台になっている場所が場所だけに、出てくる人間もその場所に見合った人たちではあるのですが、それにしてもこれが現実であるとは思いたくもなかったです。
別の救急隊員がわざと患者を見殺しにしたり、ショーン・ペン演じる隊員もある行動を起こしますが、そうなる気持ちもなんとなく理解できるような気がしました。
それでも、やはり人の生死を1人の人間が左右するのは違うと私は思います。とりあえずは自分の役目を精一杯果たして、あとは相手の運命に委ねるべきでしょう。
とはいえ、これは私自身が彼らのような過酷な立場にないから言えるのであり、実際に彼らのような状況に身を置くと、また考え方が変わってくるのかもしれません。
しかし、やはり考え方が変えられず、その狭間で苦しむ人が大勢いるのでしょう。その結果がショーン・ペン演じる隊員の末路であり、エンドロールで流れたテロップに表れているのでしょう。
まるでドキュメンタリーのような緊迫感溢れる息の詰まるような作品でした。

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shin-zy
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