「善と悪を観客に問う作品」アスファルト・シティ みっくさんの映画レビュー(感想・評価)
善と悪を観客に問う作品
映画の多くは冒頭に「ゴール」が示される。
殺人事件の解決、恋愛成就、生き残り、が定番。
だが本作は違う。
新人救命士がベテランと組んで任務にあたる。そこでの日常と過酷な任務で疲弊してく姿が描かれるが、明確なストーリーラインがあるワケでもない。
ドコに向かうんだろうな、この映画。と思っていると、急にスイッチが入る。
「善悪」「神とは」を問う作品だ。
この問いは、医療関係者など一部の職業人に限らず、全市民への問いだ。
今やネットでは、生活保護受給者、障害年金受給者など弱者、というか「税金に頼っているヒト」へのバッシングが酷い。
数年前の某アナウンサーの「自己責任の透析患者は死ね」発言が典型だが、
本作の主人公たちが直面する「善悪の葛藤」は全市民の共通するものだ。同じ状況になった時にどう判断するか?常日頃、どう判断するか?
を問う作品である。
コメントする
