「命の価値観について目が覚めるような作品」高野豆腐店の春 うぐいすさんの映画レビュー(感想・評価)
命の価値観について目が覚めるような作品
辰雄やふみえの、身一つで戦後を生き抜いた戦中世代の人生観が胸に刺さった。
戦災や戦後の苦境で失われた命から受け継いだものを背負い、他者と縁ができる度に自身の命の重みが増す感覚は、個人主義の時代に生きる世代には得難い体験かも知れない。彼らが「生きている」ではなく「生かされている」ものとして、自分や縁ある人々の存在を大切にする姿からは、自身に連なる存在と日々への感謝や責任感が伝わってきた。
鉄火で頑なな辰雄のキャラクターが、テンプレ的な頑固親父キャラではなく「ありがとう」が言えるキャラクターなのがとても良かった。
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