「女神復権」ボーはおそれている ニャーコさんの映画レビュー(感想・評価)
女神復権
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ボーの母モナの母性愛は強烈だ。
全能だった時代の大地母神の様に、命を与え、育て、愛し、奪う。
ギリシャなどで時代が下るにつれ、権能を奪われていく女神たちを不憫に思っていたので、本作はいっそ痛快だった。
ラストの審判シーンでのモナの激白は「母」の一面であり、いつ報われるのか嘆く辺りは、母の枠組みを通り越して人間の本質を見た気がした。
監督の前2作の集大成の様な作品で、アリ・アスターの脳内遊園地に迷い込んだ気分だった。
本作には2つのお気に入りがある。
1つは森編だ。ミッドサマーの色彩豊かな映像美で監督のファンになったので。
2つ目はボーがモナの首を絞める時の表情の変化だ。いつもの悲しげな表情から憎悪を煮詰めた眼差しに変わるまで瞬きする間も要さないボー役のホアキン・フェニックスに魅せられた。
次回作もアリ・アスター監督とホアキン・フェニックスのタッグが見られるようなので今から楽しみで仕方がない。
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