劇場公開日 2023年10月20日

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「「百貨店」という夢を思い出した」北極百貨店のコンシェルジュさん sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「百貨店」という夢を思い出した

2024年8月18日
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鑑賞方法:VOD

従業員は人間だがお客様はすべて動物であるという「北極百貨店」。そこには多くの絶滅危惧種の動物も訪れるのだが、この「百貨店」そのものもまた、絶滅が危惧される存在というところがミソなのだろう。

都心の状況はわからないが、自分の身近なところでいうと、今年の4月に長野県松本市の井上百貨店(創業139年)が、令和7年3月末で閉店というニュースが流れ、何とも言えない切なさを感じた。

幼い頃の自分にとって、井上百貨店は夢の場所だった。よそ行きの服を着て出かける場所で、母親や祖母たちが買い物している間、おもちゃ売り場の鉄道模型やミニカーを飽きることなく眺められ、時には何かも買ってもらえて、食堂で食べるお子様ランチのチキンライスは文句なくおいしかった。
今もイオンなどのショッピングモールは元気で、人々の買い物の楽しみを満たす場所になっているのだろうけれど、「百貨店」と名付けられたところは、冒頭の井上百貨店のように、建物の老朽化などの問題もあって、徐々に減って来ているように思われる。
そこには、人々のライフスタイルの変化などが当然絡んできている訳で、映画の中で何度も出てくる「百貨店の未来」は、単純には語ることはできない。
ただ、この作品を観ている中で、かつて自分が味わった「百貨店」での夢のような時間を思い出したり、新人コンシェルジュと客やスタッフたちとの交流にほっこりした気持ちを味わえたりしたのは幸せだった。

全編で70分という長さなのでとても見やすく、ほっこりを求めている人にはおすすめ。

sow_miya
Mさんのコメント
2024年8月18日

そうなんです!
「デパート」という場所の憧れを思い出して懐かしくなりました。

M