劇場公開日 2023年10月27日

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「私、『月』はまだ観られておりません」愛にイナズマ TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0私、『月』はまだ観られておりません

2023年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画.comに評を上げるのに、まず断っておかなければならないのは、私、『月』はまだ観られておりません。正直「逃げているのでは」と言われても否定しきれませんが、取り合えずその点ご容赦いただけると。。(Facebookで読んでいる方は「何のことやら?」かもしれませんが、興味があれば検索してみてください。)
そもそもですが、私の石井裕也監督に対する印象は賛否つけがたく、とは言え当然無視はできない存在です。特徴はやはり彼の描く独特な世界観とキャラクター描写だと思うのですが、それにハマれるかどうかが評価の分かれ目じゃないでしょうか。なので、作品によって評価のバラツキもありますし、その評価基準も「良し悪し」というより「好き嫌い」の方がしっくりくると思います。オリジナルの脚本も、原作のあるものの脚色においても「石井印」と言っても過言でない気がしますし(だからこそ、『月』はどう観ていいのか悩んでます)、何といっても役者たちの本気を感じる演出は秀逸です。と言うことで、結局は称えざるを得ない監督の一人だと思います。
と、この導入から本作をけなすわけないのは見え見えですが、本作は何なら自分でも予想以上に良かったですね。刺さりました。
設定や脚本的にたとえ現実から若干浮遊していても、「生き方下手」+「むきだしの感情」+「家族という関係性からの呪縛」というコンビネーションが巧く構成されていて、要所要所でエモみ強めです。特に、笑えること、笑えないことがどっちもストレートで、ついつい感情を持っていかれてしまうのです。
と言うのも、やはり今作も間違いない俳優たちの演技ですね。比較的小さめな役でも間違いのない布陣で、まさに枚挙にいとまがないほど皆さん素晴らしいのですが、敢えて一人に絞るとしたら、と言うか「敢えて言うまでもない方」なのですけど佐藤浩市さん、いや~素晴らしい。いい感じに歳を取られていて(とは言えまだまだお若いですが)しっかり父親役が堂に入っていて、まったく違和感なく説得力がある演技で惹き込まれました。
加えて、(詳細は省きますが)自分にとって観たタイミングとしても「相乗効果」を生んでいるのかもしれませんが、それも作品との「出会い」です。と言うことで、自分にとっては石井監督作品として暫定一番お気に入り作品。あくまで個人的な感想ですが、傑作でした。
(やはり『月』から逃げてはいけない気もしますが、、、明言は避けておきます)

TWDera
humさんのコメント
2023年11月11日

こんばんは
観たタイミングの相乗効果、作品との出会い…なんだかすごく腑に落ちます😌
この作品は、新鮮味と懐かしさが入り混じるような作品で楽しめました。

hum