ファルコン・レイクのレビュー・感想・評価
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ひと夏の経験は永遠に
最終盤までは「ひと夏の経験」の王道を行くもの。
数年振りに逢った、母の友人の娘は美しく成長。
僅かに二歳の年齢差ではあるものの、
十代後半のこの違いは大きい。
主人公の『バスティアン(ジョゼフ・アンジェル)』は
年上の『クロエ(サラ・モンプチ)』を改めて意識し、
仄かな恋心を抱く。
一方の彼女はと言えば、少々ツンデレ。
彼に気のあるそぶりを見せたかと思えば、
地元の男の子たちとも交流する。
そんな『クロエ』を見れば
『バスティアン』の心は千々に乱れ、
思わず見栄を張ってしまうのは、
同性であれば理解もできること。
とは言え、彼女にしてみれば、
許容を越えているわけで・・・・。
二人の交流は
時に無邪気、ある時はエロチック。
当初は姉弟のような関係だったものが、
次第に大人びたものに熟成する。
それは見ていて微笑ましくもあり、
まだるっこしくもあり。
いや、年頃の男子なら
誰もが夢想するエピソードの数々ではある。
が、そこに、不協和音のように挟み込まれる「死」のイメージ。
タイトルにもなっている湖に「幽霊」が出るとの噂は、
実は『クロエ』の中でのみ完結しており、
ニュースにもなってはいないし、他の誰もが知ってはいない。
二人は「幽霊」をモチーフに動画を撮り楽しむが、
それは怯えへの裏返しであるよう。
こびりつき、剥がれることはない。
舞台はカナダのケベック州の美しい湖と
湖畔のコテージ。
周囲には自然が息づき、
鳥や獣の声、風雨の音がBGMのように画面を織りなす。
自身の理解者として、彼に傍に居て欲しい『クロエ』と
それを望む『バスティアン』。
最後のシークエンスは、
まさにその捻じれた体現なのだが。
長編とはいえ、100分ほどの尺で描かれるのは
パリからやって来た一家と、地元に住まう一家の真夏のバカンス。
似たようなシチュエーションや経験は、
おそらく誰しもが持っているであろう、
ただ、ほとんどは一過性のもの。
本作ではそれが
永遠になった一つの結実が、悲しい過程を経て語られる。
酷い親だな
何かがいそうでいない、起こりそうで起こらない湖の不気味な佇まいは思春期の心象風景そのもので、中2の身の置き所の無さが、もう痛いほどリアルに映像化されている。クロエの態度もちくちく刺さるし、途中から居た堪れなくなってしまった。
儚げで美しい青春映画
原作は『年上のひと』ってフランスの漫画みたいです。
フランスからカナダに家族で来た14歳の少年、16歳の少女との出会い、幽霊が出る噂の湖…って話です。
少し不穏な空気が漂っていて、何か出そうな、何か起こりそうな、そんな感じがいい。
部屋に『サイコ』のポスターが貼ってあるのですが、それも期待させる(笑)
ちなみに、ジブリのカオナシの絵も貼ってあります(笑)
すごくロケーションが良くて、美しい湖に桟橋、夜のアスファルト道路、鉄橋、などなど、とても絵になります。
儚げな美しさを持った青春映画です。
上手く14歳ごろに感じる気持ちを描けてると思う、共感しました。
もう1回観たいな♪
あと原作の漫画は訳されていて日本語で読めるらしいので、読んでみたい♪
PS.カナダとフランスの合作映画です。
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