PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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TOKYO一人ぼっち
この映画もストーリー性が皆無にて何が言いたいのか、何を伝えたいのか見る側の自由度が高い。日本人が日本でこの映画を見ても「アンデス2人ぼっち」の様な非合理性や非日常性はなく、逆にあまりにも私には日常的で同じ様に退屈な映画だった。なぜアカデミー賞にノミネートされたのか??です。
これをパーフェクトデェイズとタイトルした所に意味があるのだろうか。そもそもパーフェクトなど端から存在せず、その代わりドラマもドラスティックな展開もほぼない、それが大方の人のパーフェクトデェイだろう。ウクライナやガザ地区の様な安全が担保されてない場所とは設定が違う。
朝起きて、歯磨きし、植物に水をやり、着替えてボスの缶コーヒーを飲み、仕事に行き、公園で昼食を取り、残りの仕事をして、銭湯に行き、いつもの店で酎ハイと夕食を取り、読書をして、寝る。寝てる時に何某かの夢を見る。その夢にも意味はなく、モノトーンで時間は流れていく。
主人公の仕事圏や生活圏もルーチン化されておりほぼ変化はない。それでも何某かのイレギュラーは入り込む。例えば時々、若い子からキスされたり、姪っ子が家出してやってきたり、紙のマルバツゲームでやり取りしたり、スナックのママさんの元旦那と陰踏みしたり、仕事の相方が突然辞め、ダウン症の方が相方の耳たぶをさわれなくなったりと。
木洩れ日 光と陰の揺らぎ 陰は重なると濃くなる、 光は重なると熱くなる。何もない。何も残らない。本人以外には意味のない、でも選ばれた記憶だけが積み重なり、缶の中にストックされ、それが時々、漏れ出してモヤモヤとした木洩れ日となれば、パーフェクトな人生だったと言えるのです。
顔を洗う動きに深い味
平凡な一日を慎ましく真面目に、そしてふとした風景や人の微笑ましさなに幸せを感じる男。
この物語は字面で読めば、他愛のない行動や感情を文字で伝えることができるかもしれないが、動きや表情で、しかもほぼ無声で心の動きを表せているのは一重に役所広司の人間力あってこそ。
日々の忙しく余裕のない生活の中で、家族への優しさを忘れていたり、部下を労わっていない自分に気付き改めて考え直すものがありました。
サンドイッチ食べながら物言いたげなOLや、カセットを聞いてキスした女、ちょくちょく出てくるホームレス、発達障害の男。意味がないのか意味深なのか分からない登場人物が時折物語をつなぐが、新緑や夢を含めてその一つ一つが彼の一日一日を彩る出来事であり、彼はその生活に満足しているのだろう。
ただ最後の涙の意味が難しい。皆さんはどう思いましたか?
私は、過去の父との確執がトイレ掃除を生業にするに至った経緯と繋がっているのだろうなと思いました。
どうかその涙が、自分の今の境遇に後悔するものでないことだけを願います。
おじさんの日常 サンプル1/1
日本に映画では無い。
色の具合や空気感が日本には無い。入眠睡眠の表現はしっくりきた。
役所広司にしゃべらせない、しかししっかり伝わってくる。ラストの表情の変化、こんな演技、演出手法があるのか。
キャストが異常に豪華。一目でわかる田中泯はその特徴をしっかり見せているが役もこなしている。石川さゆりに歌わせたのもあくまでも役の中。三浦友和とのはしゃぐおじさんの絵は奇妙で面白かった。
ストーリーとして初めに感じたのは仕事を楽しむことの大事さだった。誇りまではなくても自分に対するチャレンジなど楽しむことは良いこと。
次に生活に対する雑音。良いのも悪いのも流麗な生活の雑音。振れ幅が大きなものも小さなものも描かれていたが、それぞれに心に染み込んできた。
退屈と見れる箇所もあったが、日常なんてそんなもんだと言う意味ではリアルで心の振れが際立つ効果があって良い作品になったと思う。
静かで良い映画だった。
しみじみ良かったです。
そうか。ルー・リードの曲から取ってるのか。
トレスポのサントラにも入ってたような。
あっちはPERFECT DAYで
こっちはPERFECT DAY"S"ってことで。
それはさておきこんなに音楽の趣味が良い掃除のおっちゃんいるのかよってずっと気になってたら姪や妹が登場してきて妙に納得してしまったんですけど、却ってそれにモヤモヤするというか。
あとは江本弟が(現実の彼の)地元の下北沢に主人公を連れてって、Flash Disk Ranchにカセットを売りに行くシーンが個人的には気になりました。
しかも、店主が松居大伍。
本筋とはあんまり関係ないですが、人によって気になるシーンは違うでしょうし、様々な楽しみ方ができる作品じゃないでしょうか。
東京を舞台にヴィム・ヴェンダース監督と役所広司で壮年期の男性のブルースを丁寧に描いてくれていると思います。
おひとり様
完全な日々とは
日常にある喜び
自分もこんな老人になるのかな
トイレ掃除は大変そうだし、住んでる家もボロくて貯金も足りなさそうだし、クズの若造に迷惑かけられるし、そんな老後は絶対にイヤだけど、役所広司のおかげで絶望しないで済みそうな気がする(笑)。平穏な日々の細やかな変化や感情の動きを、とても鮮やかに描いてて正にPerfectな日々に思えてくる。トイレの宣伝とかキレイすぎとか、批判は色々ありそうだけど、静かでFeel goodないい映画だと思った。
心がほっこりする
淡々とした日常を描いているけど、平山がすごく丁寧に生活をして日常を送ってるのが分かる。家の中は簡素だけど、苗木や植木が沢山あり平山が植物に愛情を注いでいて、毎朝空を見上げて少し深呼吸、お昼休みは木漏れ日を見つめながら食事。
とても自然を愛する人なんだなと思った。車の中で聞く音楽や寝る前の読書など、ささやかでシンプルだけど好きなものに囲まれて、仕事は本当に実直に黙々と働く姿も見ていて気持ちいい。
とてもシンプルだけど、平山の人間関係も誰に対しても愛情があるのを感じた。時折みせる役所さんの笑顔はほんとに優しい。ずっと見ていたい笑顔。これだけでも見る価値あり!
最後のこみあげてくる泣きは必見です。
見終わった後、心がほっこりして、日々の生活を大事に味わってやっていこうという気になりました。
日常の"いま"にある素晴らしさ
なんとなく懐かしい
これは未来のぼくの姿かもしれない
平山と東京とルー・リード
おそらくこの映画で描かれる平山の生き方は、実は現代人にとって本当に必要なものではないのだろうか?
世間から決して華やかなイメージを持たれている仕事ではなくとも自分の役割に誇り持ち、小さな幸せを見つけられる日常のルーティンがある。
幸せになるには実はこれだけで十分なのではないかということを、情緒溢れる東京の風景と古典ロックとともに描いたこの作品は私にとってとても尊く、愛おしいものだった。
そして、洗練された日常のルーティンはこんなにも美しいことがよくわかる。
現代人は何かと効率主義に囚われがちである。何か生産性の高いことをしなければならないといった観念が強すぎるのだ。
その結果、自分が今向き合うべき感情を無視することになる。
しかし、平山はその瞬間瞬間をしっかり噛み締めて生きているように見える。
「今度は今度、今は今」なのだ。
ただし、葛藤もある。笑っているとも泣いているとも見えるラストシーンで、本人のなかで複雑な感情が渦巻いていることがわかる。この暮らしも決して良いことだけではないようだが、それでもあのシーンは苦しみではなく、そのとき感じた幸福感からにじみ出たものであると私は信じたい。
観賞後は何故か無性に銭湯に行きたくなる。
作品のタイトルがルー・リードの曲名から来てたことを作中の音楽を聞いて理解したとき思わずニヤリとしてしまった。
この曲がこの映画そのものだったからだ。
東京とルー・リード、何故か絶妙に相性が良い。
今度、Spotifyで聴きながら都内を歩いてみようか。
Spotify?どこにあるの、そのお店。
ドイツ人が作った日本映画、良い映画でした
平山さんと自分の違い。
朝さっと起きるところ、さっと洗面所に行くところ、本をいつも読んでいる、お腹が出ていない、頭髪がふさふさ、お酒が強い、コーヒーはボスのカフェオレ、人に優しい、多分生まれはお金持ちの家、仕事を愛してる、何故か女性にモテる、そして一人だけど孤独ではない。
私は平山さんとは全てに違いすぎるオッサンですが、それでもこの映画が好きです。2時間完全に見入ってしまいました。
まずディテールの凝り方が凄まじい。自然に撮っている様だが、全てヴィムヴェンダース監督が、東京、日本をイメージして作り込んだ物です。気づけば気づく程いろんなものを詰め込んでいます。監督は、小津安二郎が大好きな人だそうだから、本当に日本が好きなのか、たぶんその知識量が半端ない。本当にドイツの人が作った映画なのかと思う程、日本映画です。それも抜群にセンスが良い日本映画。日本で似た人といえば、たけしさんかな(全盛期の)。画の切り取り方や間がですけどね。観たきっかけは、又吉さんがYouTubeで偉い褒めていた事からです。封切中に観られて良かったです。もう一回観に行こうと思ってます。
彼もアパートも渋い!
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