PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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家の鍵かけないのが、気になった。
ヴィムヴェンダースの作品自体初めて見たので、なんとも言えないが、正直あんまし面白くなかった。淡々と清掃員の日常を描く、という意図は感じられたが映画としての「物語性」が乏しく、登場人物それぞれに感情移入できないまま、エンディングを迎えた感が強かった。
料理屋のママが歌うシーンは良かった。
1回目の鑑賞眼は間違っていなかったと思う。
SFXも最新技術もない映画で十分に楽しめる作品でした。1回目の鑑賞では自分の鑑賞眼に自信が持てなかったので2回目を鑑賞しました。
平山(役所広司)が妹(麻生祐未)と再会後に涙したことをどう捉えるか?ここは大きなポイントかと思います。妹は取り返せない事実を諦めてはいるけれど、昔の姿ではない父に会うように頼みます。しかし、平山は首を横に振ります。その後に妹を抱きしめたことを考えればわかります。心底では身近な愛を求めているのだと。遣り甲斐のある仕事との対比で何とも物悲しい。アンポンタンでなければ、誰にとってもパーフェクトな日々なんてないのですよね。その後の平山がどのような生活をするのか?それをあれこれ考えたり、ああだこうだと議論するのが鑑賞後の醍醐味かと思います。
役所広司は大河ドラマ徳川家康の頃からのファンです。日本を代表する素晴らしいオジサンです。余談ながら、カセットテープの選曲は自分ならこうするなということでも酒席で盛り上がりました(笑)
役所さんの最後の演技
役所広司さん演じるトイレ清掃員の日常を淡々と流す映画。
映画が終わったあと、2時間が2週間に感じられて不思議な感覚になった。
無口な主人公だが、役所広司さんの口角の角度、目のしわ、ちょっとした表情の変化に釘付けになった。
アヤちゃんに頬っぺチューされたあとの銭湯では、目元しか見えなくてもにやけているのが分かったので凄いと思った。
台詞が少ないだけに主人公の過去は予想するしかないが、父に会いたくても会いにいけない事情、トイレ清掃員という仕事を選ぶに至った理由があることは分かった。
感動したのはやはり最後のシーン。
役所広司さんが運転しながら楽しそうに微笑んでいる、かと思えば泣き出すところ。
自身の人生を後悔しているのか、幸せなのか…
どちらでもないのか。観ていてなぜか涙がでた。
単調だがとても考えさせられるいい映画だった!
追記:インタビュー映像を観てより感動した。
心地よい孤独。
観賞後は気持ちがスッと爽やかになるような、素敵な作品だった。
人生のどこかの折に、また繰り返して見たい作品のひとつ。
序盤から、役所広司演じる平山というトイレ清掃員の日々のルーティンが淡々と丁寧に描かれて行くが、
自分以外の人の生活を覗き見るというのは
案外興味深く楽しいものだ。
朝起きてまず始めにすること、部屋の中に何を揃えているか、どこで何を食べて、1日の終わりの楽しみは何なのか、その人物の取捨選択を、具に観察していく。
この平山という男は、もしかすると一言も言葉を発さない日があるかもしれないほど口数少なく、
作中その背景や感情が言葉で語られることは全くない。
そのため、観賞者は登場人物の表情を注意深く観察し、
語り口に耳を傾け続けるわけだが、
一般に負け組とも揶揄されそうな生活環境に身を置く平山に、不思議と悲壮感はない。
丁寧に日々を捉えていくその生き方は、ある意味で人生をささやかに肯定していて、心にじんわり染み渡る。
変わり映えのないように見えて、毎日少しずつ何かは起こっている。
「全く同じなんてそんなバカなことあるわけない!」と、劇中1番のデカボイスで言い切る平山のその言葉は、人に寄り添い励ましながら、自分に言い聞かせているようでもある。
時折街の人々に向けるあたたかな目線、丁寧な仕事ぶり、姪との関係や、
陽の光や木々のざわめきに心地よさを感じ、
決して突き放すわけでなく距離を置くわけでなく、孤独に自由に生きるこの男を、
観終わった頃には、わたしは好ましく思っていた。
これまでの人生を思い、ふと寂しさや孤独を感じ何故か涙が出そうになる時に、煎茶を飲むとスッと落ち着くような、そんな(どんな)不思議な清涼感のある作品。
ルーティーンのなかで見出される、一筋の光明。
朝、目を開けて歯を磨き、コーヒーを買ってから車に乗ってトイレに向かう。仕事が終われば、銭湯で体を流し、自転車を漕いで酒場に行く。
変わらない日常を描きながら、その中に存在する一瞬の美しさを切り取っていく。
アナログおじさんの日々
カセットテープを聴いて
文庫本を読み
フィルムカメラで写真を撮る。
当然ガラケー。
小さなアパートに独り住まい。
キッチリ仕事して
銭湯でひとっ風呂あびて
いつもの店で一杯やる。
そんな日常がつづられていく。
ずっと【お一人様】
だけど
一杯やる飲み屋も
フィルムを現像に出す写真屋も
文庫本買いに行く古本屋も
みんな古い付き合い
気心のしれた人々が沢山いる。
孤独じゃない。
そんな生活が心地いいんでしょうね。
特に説明はないけど伝わってくる。
そう、説明がほぼ無い。
それが良いのかも。
こういう生活にいたる経緯とか
全く出てこない。
若い頃の回想シーンとか
やりたくなりそうだけど
無いのがいい。
なんというか
無くていい、無い方がいい。
つまりは
そこは大事じゃない。
どうでもいいってこと。
ということを見てて感じた。
「今度は今度、今は今」
ってセリフがあった。
そういうことなんだよね⁉
役所とヴェンダースの凄さ
淡々としてる作品を少し寝不足で観に行くのは少し心配でしたが、全然大丈夫でした。
最初はすこし眠いと思いながら観てはいましたが、もう五分もすると役所広司の演技、表情、所作から目が離せませんでした。
昔はこういう映画はヨーロッパとかを舞台に描かれていたのではと思いつつ、東京を舞台に描くのはヴィム・ヴェンダースが日本好きだからか、日本の文化が世界的に認知されたのかとも思って観てました。
この作品も役所広司ありきの作品だと思いました。
その極みなのではないでしょうか。
画もとても美しいというのとは違う、凄みある画でした。
あのアスペクト比もなかなかもって、イカすエモい良い演出でした。
トイレツアーは行ってみたいです。
植物
都会の生活なんだけど
緑がよく出てくる。
同じ日常をこなしながら
小さな楽しみを見つける。
関わる人との距離感を守って
暮らす。
少しづつ
友達の緑を増やして育てる。
普通ってなんだろとか
思う歳になる頃
完璧な日常ってタイトルからくる
この内容は
年月を歩んだ者に
響くのかも。
自分の人生を豊かなものにできるかどうかは本人次第なんだと強く教えら...
退屈と出るか?感銘受けるか?
清掃
変哲もない1日なのに何故このタイトル
主人公が愛でる個人的空間
静かな映画。おんぼろアパートに一人で住む初老男性が主人公。仕事は都内の公衆トイレを巡回掃除すること。趣味は、部屋で植木を育てることだ。ずらりと小さな鉢が並んでいるのは壮観だが、それらはまだ、背が低いので、こういう生活を始めて、まだそんなに日数が経っていないことを思わせる。朝、箒で掃除をする音で目覚め、歯を磨いて植木に水をやり、階段を下りて、仕事に行く。それが終われば、浅草で夕ご飯を食べ、銭湯へ行き、ときには、飲み屋でいっぱい。そして、寝る前に少しの読書……ほとんど他人との交わりがない、個人的空間で過ごす。これが、主人公の一日である。突然、姪が訪ねてきたり、ほんのり好意を寄せている飲み屋の女将が素敵な男性と抱擁しているのを垣間見て動揺したりもするが、それは一過性のことであり、基本的は同じことの繰り返しである。そんな主人公の過去はまったく明かされない。トイレの使い方がわからない外国人女性に英語で教えてやったり、高級車に乗ってやってきた妹との対峙で、かすかに彼の背景を想像するしかない。ある意味、過去を捨てた男なのだろう。捨ててしまったから、逆に失うことを恐れていないのかもしれない。それが証拠に、彼は出かけるときに施錠をした様子がない。盗まれて困るものなどないからなのだろう……と思ったのだが、姪が転がり込んできた際には、「開錠」する描写があるから、やはり鍵はかけたようである。それとも、姪の持ち物は大事であったか。それとも、姪との個人的な空間を他人におかされたくなかったのだろうか。そう思えば、トイレも非常に個人的な空間だが、やはり、施錠する描写はない。主人公は、ふたつの個人的空間を愛しているように思えてならない
ものすごく乱暴なレビューを書きます
ものすごく乱暴なまとめ方をする
今作はキャラ萌え日常系映画だ
「◯◯な趣味をやらせてみた」ではないものの『ゆるキャン△』や『けいおん!』の仲間である
主人公はトイレ清掃員・平山
早朝から仕事に向かい、明るいうちに終えて銭湯で汗を流す
さっぱりしたら行きつけの酒場でレモンサワーを一杯
夜は文庫本を片手に眠くなるまでの時間を過ごす
休日にはプロの技で手際よく部屋の掃除を終えると、汚れた仕事着を持ってコインランドリーへ
合間の時間には趣味で撮ったインスタント写真の現像にも出向く
夕方には少し気になる女将のいる小料理へ
そうして平山の一週間は巡る
インスタには載らない。しかしこれ以上なく丁寧な生活だ
そう、そんな彼を好きになるための映画
演じる役所広司氏はPERFECTだ
ヴェンダース監督の控え目な描き方も心地良い
『オイラは平山。寡黙だけど不思議と周りに慕われるトイレ清掃員さ!』
と語らせるのが0点ならば100点の形で彼の魅力を引き出している
情報を入れて難しく考える必要はない
平山さんに好感を持つか否かだ
静かな映画
後味の良い映画
泣き笑いの人生 腕時計 木洩れ日
多くの方が絶賛しているので、感じたことだけを書こうかと思う。主人公の出勤日のルーティンな生活風景は、何とも見ていて気持ちが良い。玄関の横に鍵やカメラ、財布など並べてあり、それを身に付けて行くのだが、なぜか腕時計だけは持っていかない。不思議だなあと思っていたが、近隣の神社の入口を掃除する箒の音で目を覚まし、決まった所に仕事に行き、淡々と一人で、仕事をするのに腕時計は不要なのだと気づく。ところが休日にはこれまたなぜか腕時計をしっかり着けて、コインランドリーに行き、馴染みの古本屋と写真屋と憧れのママのいるお店で一杯飲む。これまたルーティンな休日の風景。面白い。
すべてがオブラートに包まれたような優しいと言うか、苦味を感じさせない作風は興味深い。そこには公園の公衆トイレの酷く汚損された現実の姿も、主人公が静かな日常を選択せざるえなかった過去の経緯も、また容赦なく入り込んでくる周囲の悪感情も、この映画には描かれない。
主人公が毎日撮り続ける木洩れ日の風景(朝ドラのカムカムエブリバディの中で木洩れ日は日本にしかない表現だと言う場面を思い出した)、その写真をそれまでの忘れたい過去の気持ちや心を浄化するように押入れにしまい込む。
そんな頑なな完璧な日々も毎日は続かない。知らない内に変化が訪れる。パトリシアハイスミスの小説が「不安」を如実に表現していると言うように、最後の笑うとも泣くとも、何とも言えない表情は、私達が日常で抱える「漠然たる不安」をよく表現している。こういう場面を演じる役所広司は、さぞや役者冥利に尽きるだろうなあと感心して観ていた。
悟らせる、と言う演出の極み
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