「雨ニモマケズ」PERFECT DAYS sannemusaさんの映画レビュー(感想・評価)
雨ニモマケズ
平山の世界にじんわりと浸り、彼の人生を楽しむひととき。いつもと違う東京をドライブし、公園(のトイレ)を巡り、下町の生活に浸る。
いつもは忙しなく感じる東京だが、映像も音楽も実にビムベンダースらしい、穏やかで古くさくて、ゆったりした気が流れている。
映画館でじっくり観れてよかった。
平山のシンプルで豊かな生活。完璧なルーティンだ。
それでも四季や天気やハプニングがあり。少しの驚きと、少しの切なさと、時には大きな悲しみや、時には大きな喜びも。
同じ1日は二度とない。そうやって人生は続いてゆく。
汗をかいて、丁寧に仕事をして、銭湯で汗を流して、いつもの場所でお気に入りのご飯を食べて、好きな音楽と文学を合間に楽しんで。
平山の笑顔を見ているとわかる。彼は人の幸せを喜べる余裕があり、困ってる人に手を差し出すことができ、美しき世界に微笑むことができる。
そうか、これこそが完璧な人生なんだ。これでいいんだ。
宮沢賢治の雨ニモマケズ の現代版のような。
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