「完璧な一日はきっとどこまでも小さな光が見えるそんな日」PERFECT DAYS lotis1040さんの映画レビュー(感想・評価)
完璧な一日はきっとどこまでも小さな光が見えるそんな日
この前予約した日を勘違いしてしまって行けなかったので今日は間違えずに行ってきましたw
ヴィム・ヴェンダース作品をロードショー期間中に映画館で見るのは初。
前評判なども気にしつつ映画館に入る。
ドキドキしながら映画が始まる。
冒頭数分でなんだかわからない気持ちになり泣き出してしまった。
この気分は一体なんなんでしょう?
主人公が住んでいる場所が家の近所という事もあったかもしれないです。
そういった親近感にホロッときたのかもしれません。
でもそれだけじゃない。音楽が好きな音楽だったということもあるかもしれない。それもあるでしょう。けれど、本当にそれだけじゃない。あそこにいる役所広司さんのいる部屋。あれはうちの部屋なんじゃないかと錯覚させるような。あの車に乗った自分が本当は自分なんじゃないかと思ってしまうような錯覚を与えるようなそんな寡黙な主人公に寄ったカメラワーク。映画全体を決めるその景色の佇まい。
本当に完璧でした。
オープニングだけでご飯が100杯くらい食べられそうです。
この映画はストーリーとしては何もない映画です。
ネタバレということもないでしょう。
おじいさんがトイレの清掃を毎日やっているというだけの映画です。
ただ、主人公のおじいちゃんの所作をずっと丁寧に見るだけの映画です。
そのためにこの映画は存在していると言っていい。
そんなやついるかよ。って思うかもしれないけれど、世の中にはいるんだよ。
ちゃんとこういうおじいちゃんいるんだよ。
そんなことを思いました。
この映画で色んな人が色んなことを考えるでしょう。
本当にいい映画です。ありがとうございました。