「PERFECT DAY」PERFECT DAYS Hiroyuki ⛳️さんの映画レビュー(感想・評価)
PERFECT DAY
わたしにとって、初ヴェンダース作品。初見ながら、なんか以前観たあの映画に似てるな、ほらアダム・ドライバーが出てたあの。。。って後から思い出した『パターソン』のことを思い出すなどした。1日のルーティンをていねいに描写、それこそていねいに生活している平山のくらしを淡々と描く。日々の仕事をていねいにこなしながら、音楽と文学を愛する生活。数日繰り返したところで、休みの日はどうしているのかなとこちらが考えるといつもと異なるルーティンが始まり、休日の暮らしを見せてくれる。過不足なく編集されており心地よい。
その繰り返しの暮らしのなかでもちょっとした事件は、起こる。そりゃ、生活だもの。わたしたちの生活と同じ。
この生活は彼自身が選び取ったものであることが、途中の描写で表現される。過去、深く傷つくことがあったのであろう。ここに逃げてきていると言えばそれまでだが、平山の生活こそが人の本質的な生活にも感じる。どこか平山の生活に憧れを覚えるのはそのせいだろう。
映画のコピーに「こんなふうにいきていけたなら」とあった。気持ちはわかる部分もあるが、全肯定することはできない。この暮らしは平山にとっての最善の暮らしであり、わたしの最善ではないからだ。おそらく映画を観た方々の最善でもないであろう。わたし個人は、映画と本、音楽、ゴルフと家族と孤独と仲間との酒をただただ愛して暮らしていきたいと思っている。
個人個人の幸せ(と感じるもの)を日々感じたいと思う。
日々の暮らしにパーフェクトデイはあまりないけれど、(自分にとって)今日は良かったと思える日々を過ごしていきたい。この映画を観て、そう感じた。元旦の朝9:25の回だったが、"完璧な"元旦だった(地震が無ければもっと良かったけれど)。