「今を生きる平山」PERFECT DAYS tohkoさんの映画レビュー(感想・評価)
今を生きる平山
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平山の暮らしぶりには共感しかない。
アスファルトを掃き清める箒の音で目を覚まし、
朝のルーティンをこなして、カセットテープで同じ曲を繰り返し聴きながら仕事に向かい、
口にするものも毎日同じ。
版で押したような日々が延々と続く。
まさか2時間ずっとトイレ掃除の映像が続くのかと少し心配になった。
姪のニコが登場してから物語が動き出す。
コミュニケーションの仕方を知ってるんだ、携帯(ガラケーだけど)持ってるんだと知る。
個人的に好きな場面は行きつけのスナックのママの元夫との影踏み。
建物を取り壊した空き地を見つめる老人が、
前に何があったのだろうと尋ねるシーン。
石川さゆりをはじめ、キャストも贅沢。
小津安二郎は私が敬愛してやまない映画人だが、
小津が名付けた平山は娘の嫁入りの心配から解き放たれ、
孤独を愛する小粋な平山だった。
畳の掃除の仕方、大いに勉強になった。
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