「ヴェンダースの青」PERFECT DAYS talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴェンダースの青
朝、主人公が整える口髭は、中年サラリーマン役の笠智衆の口髭そのものだった。もうそこで私は笑いをこらえることができなかった!この後も沢山笑った。泣かせるより笑わせる方が難しい。これは笑わせてくれる映画でした!
小津安二郎ラブの監督だけあって、
赤を意識してるな~と楽しかった。主人公が好きなお菓子の本店は鎌倉、紙袋は赤で店の名前も!でもこの映画では赤よりも青だった。青が主人公の世界を表す色、静かで透明で光を映し出す水、空、風、青々とした木々の葉、仕事着も普段着も青。「青騎士」の作品、例えばフランツ・マルクの絵画のように心を落ち着かせてくれる色。
音楽もよかった。あまり詳しくないジャンル&時代の音楽だったけれど、最初にカセットテープから流れたのは娼館の歌だった。ドキッとした。
畳、布団、箒、縦縞の柄の湯飲みを映してワーイ!と嬉しくなっている(と勝手に自分が想像する;小津映画小僧の)監督の顔が目に浮かぶようだった。
監督はドイツ人、言語は日本語で出演者もロケ地も日本のこの映画は邦画?洋画?そんなのどっちでもいい、いろんな世界があってそれが重なると味わいが濃くなって面白くなるよ、というメッセージなのかな。
「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は大好き。他作品は別に~、ですが見てよかったかな。とにかく役所広司はいい顔してます!
コメントありがとうございます。
この作品は誰かの物語ではなく、自分自身の物語なのかもしれません。
どんな人であれ、存在としての価値はひとつの影くらいで、それらが重なり合っていることで様々な出来事が生まれるのでしょう。
影ふみ遊びのように、重ならない影はなく、自分がその一つだというだけを理解できれば、恐怖からは逃れられるのかもしれませんね。
いつもレビューを拝見しています。アカウントが復活されたようで何よりです。
この作品のイメージカラーは確かに青かもしれませんね。私はこの作品に嵌まってしまい、本日3回目の鑑賞に行ってきましたw
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブは私も好きな作品です!
ヴェンダースの得意なロード・ムービーに本作も入るのかなと思いました。
主人公は旅はしていないが、色んな人が向こうからやってくる…。そして自分は、ふと自分自身が何者なのかと振り返ったりする。
私は今、怪我をして千葉市内の病院に入院中(もうすぐ退院)なのですが、この病院の看護師は痛みの度合いを確認するとき「10のうち幾つくらいですか?」って訊くんです(笑)
それがマニュアルなんでしょうが、分かるようで分からないんですよねぇ~。
いい病院ですよ。
↑このエピソード、なんだか目に浮かぶようで微笑ましかったです。(当人は必死ですよね。迷子も探す方も😅)
青を感じる作品…なるほどです。
ちなみにtalismanさんには青を(時々赤が混ざる)感じるのはアイコンのイメージでしょうかね。
今日、待乳山聖天に行く用事があって、帰りに平山がひとっ風呂浴びてから行く、浅草駅地下の飲み屋辺りに行ってみた!いい雰囲気。近くには中古レコード屋さんもある。浅草松屋もすごーく久しぶりに行ってみた。子どもの頃のデパートはいっつも満員で私は妹と手を繋いでいたにも関わらず、いっつも迷子になって、鬼の形相の母親が迎えに来た。自分でお金もって一人で電車に乗れるようになって、やっと迷子にならないで済むと心から嬉しかったことを今でも思い出す
talismanさん、私も間違ってログアウトをクイックしてしまい慌てたことがあります。
この映画を観た後に、昔のサントリーオールドのCMを想い出しました。淀川さんの日曜洋画劇場で流れていた小林亜星作曲の「人間みな兄弟」のあの何処か寂し気で、それでも静かに生きている生命感もあるメロディとリズムが、「朝日のあたる家」の曲を聴きながら運転する平山さんに重なるのです。映画の流れを止めるテレビコマーシャルですが、あの時のサントリーのCMは映像作品として素晴らしかった。大好きでした。
どちらも人間の顔と音楽が見事に融合した映像作品として見事だなぁと思います。
こんにちは
共感とコメントありがとうございます。
少し視点が違うレビューで、とても新鮮でした。
いろいろオマージュがあったのですね。邦画に詳しくないので知りませんでした。
青、青、青、おっしゃるとおり青が目立ちますね。清々しい色です。
平山を表すにふさわしい?(枯れてませんけど。)
あのお菓子、私も大好きです。お店の名前も赤いですね、確かに。
キュビスムは頭の中で再構築するのか面白いな、と思いました。もっと後の時代で出現しそうな技法なのにこんなに前からあったんですね〜。ピカソってもっと後の時代の人だと思ってたんです。おばか。
先日キュビスム展行きました。絵画は生がやっぱりいいですよね。好みをお伺いしているとtalismanさんの色彩感覚はあたしの単純なのより奥が深そうです。Σ(,,゚∀゚︎,,;)
こんにちは。ヴェンダース監督
「小津と語る」でもその愛を語っていました。本作も小津テイストが観て取れましたね♪可笑しみもあり、何だか泣けるし、生きていくって事を考えさせられた作品でした。私はフォルムからして東京タワー派でしたが、スカイツリーも素敵でしたね(^。^)
talismanさん、共感とコメントありがとうございました!
ご指摘の赤は、大変興味深いです!私は気づけませんでした(笑)。
ベースとして揃えられた青の色彩中で一際目立ってた様に感じました。彼は以前、周囲が欲望で常に真っ赤な世界?に居て疲れちゃったんじゃないかと想像します。でもそれさえ全否定出来ない中で無意識に赤提灯に通ってしまうみたいな感覚かと。そこが人間臭くて凄く良いです。
北斎のエッセンスは、ゴッホを初めてとする印象派に受け継がれたように、溝口、小津、黒澤のエッセンスは、海外の監督の方に色濃く継承されたのかもしれませんね。
コメントイイねありがとうございました。くるみっこ美味いですね。私の中では ちっちゃく一個一個個別包装です。小津安二郎さん笠智衆さん感満載ですね【有料パンフ受け売りです】りゅうちしゅう 読める人少なくなりました。昔の人は とりあえず読めました。 失礼します。ありがとうございました😊
なんか、大掃除も俄然やる気が出そうなとてもナイスなコメントのやり取りにホッコリします😄
顔で演技ができる役所広司さんの凄さは、本当に映画を見ないと分からないですね。
ふと松岡茉優さんを思い出したりもしてます。
talismanさん、今晩は。
私、今作の予告編でルー・リードの”Perfectday"をバックにした映像を観て、この年末の大進行の中”俺は、22日は15:00で上がる!”と部下に宣言し呆れられたNOBUです。
私は、ヴィム・ベンダース監督作品は(多分)ほぼ総て鑑賞し、当然「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のサントラは即購入し、愛聴していました。(最近、聞いてない・・。)
今作は予想通り良かったですねえ。(私の少し前の席のお父さんは欠伸をしていましたが・・。)
私、ヴェルベット・アンダーグラウンド(当然含む、ルー・リード)は年代的には合わないのですが、学生時代の岳友で、今でも親友の男から勧められ、嵌ったのですよ。で、今作で”Pale Blue Eyes"を聞きながら男が仕事に出掛けるシーンからもうね・・。
私は、映画と音楽(特にロック)が自分の好みにマッチした時の僥倖感に浸ってしまうのですよ・・。talismanさんは芸術肌のお方と思っていますが、今作を高く評価された事が嬉しくてコメントしました。では。
年末、慌ただしい日々が続きますが今作を観て"地に足が付いた生活を送る事の大切さ”を改めて感じます。では。返信は不要ですよ。今から久方振りに買った今作のパンフレットを読んで寝ます。
幸せだなあ・・。