「音楽に圧倒される」エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命 ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽に圧倒される
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キリスト教カトリック、ユダヤ教の違いや対立関係が全然わからない人間には、完全に理解するのは難しい作品かもしれない。ドラマチック過ぎるBGMがイタリアの作品であることを更に痛感させる。
今から150年前、生後6ヶ月の時に家政婦の若い女に勝手にカトリックの洗礼をされてしまって、ユダヤ教の一家なのに7歳で枢機卿の元に強制的に連れ去られるエドガルド少年。家に帰りたいと両親を請い、父親も何度も訴え出て裁判まで開かれるが、願いは届かず敗訴。しかし10年も経つと、カトリックで良かったと思い、ローマ教に反乱を起こし弟を救いに来た兄を追い返す。更に死の床に臥す母に洗礼しようとするのだった。実際、エドガルドはカトリックとして90歳まで生きたという。
ということでカトリックとユダヤ教、どっちが良いのかなんていう話では当然なくて、むしろいたいけな子どもを誘拐までしていたというカトリックの閉鎖的な社会を今ここで世に明らかにしたという意味はあるのだろう。
権力者というのはどうしようもないなというのは世の普遍か。
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