「只々料理を作り続ける映画だった」ポトフ 美食家と料理人 桜春さんの映画レビュー(感想・評価)
只々料理を作り続ける映画だった
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調理素材が生きている時の形に近いところから料理するから鳥の足の薄皮を丁寧に削いだり豚の臓物を取り出したり日本近海の魚に比べると巨大と言ってもいい魚の体を曲げながら鍋で煮込んだりの描写が細々続く。
俳優は大変だというのが率直な感想。
物語としての起伏は料理界のナポレオンと言われる男の最高のアシスタントだった内縁の妻との愛情溢れる暮らしと彼女の後継探しかな。沢山のマダムがアシスタント実技試験を受けるがなかなか合格者が出ず将来を嘱望される少女はまだ年若い。ただ、それはメリハリの効いたドラマチックな話ではなく、こういう生活を送った人達もいましたという淡々とした誰かの日常のひとコマのようで。人生はそんなものだろう。
しみじみとはなったが、心打たれるまではならなかった。見るタイミングで感想が変わった気もするが、のんびりとフランス料理やフランスの田舎風景を見たい人にはお勧め。刺激的ドラマを見たい人にはお勧めしない。
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