劇場公開日 2023年12月15日

「食と人生の悦び」ポトフ 美食家と料理人 ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5食と人生の悦び

2023年12月20日
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鑑賞方法:映画館

食と人生の悦び、そして喪失と回復(の予感)を美しい映像で描き切った作品だった。
冒頭のシーンから4人でまるでダンスするように料理し、映像からもゲストたちの表情からもその愉悦と官能を堪能できる。上映時間長いなと、見る前は思ったがこれならいつまでも観ていたい。
その官能はウージェニーのための食事のシーンで最高潮に。洋梨のコンポートの官能的な様といったら…(パンフで見たら「ベル・エレーヌ」という料理でした…)
まだ幼いポーリーンの美しさにも恐れ入ったが、ジュリエット・ビノシュはもう神懸かってましたね。女性の美を若さばかりに求めないフランスの面目躍如、って感じ。
あと素晴らしかったのが撮影で、現代化されていないフランスの光景はとにかく美しいし、料理や屋内のシーンは被写界深度をごく浅くして回りを美しくボカしているにも関わらず、その都度必要なところにビシッとピンが決まってて技術的にも素晴らしかった。
コレもっと宣伝して広く観て貰うべき傑作だった。お薦め。

ぱんちょ