「トルコに潜在する暗い影を垣間見た」二つの季節しかない村 エロくそチキン2さんの映画レビュー(感想・評価)
トルコに潜在する暗い影を垣間見た
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2014年に「雪の轍」でパルムドールを取ったトルコのヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の新作。これもまた傑作だった。
観る前の予想に反してクズな男を3時間以上観続けることに。
冬が長く雪深いトルコ東部の村。
ここに赴任して4年たった美術教師サメット。
自己中でプライドが高く、何もない村を忌み嫌い、自分が行うハラスメントに自覚がなく、女性に対しても同僚に対しても誠意がなかった。不誠実だった。
そう、観る誰もが呆れかえる最低のクソ野郎だった。
サメットが出会った美しい義足の英語教師ヌライがこの作品を特別なものにした。
テロの爆発に巻き込まれ右足を切断したヌライ。以前は活発な活動を行なっていたようだが。
終盤のサメットとヌライが繰り広げる人生論のやり取り、そしてその後の展開は凄いとしか言いようがない。
サメットを最低のクズだと断定したヌライ。しかし義足を外してサミットを受け入れるヌライ。もはやサミットはただの肉棒でしかなかった。
う〜〜ん、これは凄い構図だった。
激しく感動した。
2023年のカンヌでヌライ役のメルベ・ディズダルがトルコ人として初めて女優賞を受賞したとのこと。彼女、圧倒的だった。
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