「追い詰められた夫」落下の解剖学 mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
追い詰められた夫
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解剖とは、家族(夫婦)軋轢の分析のことだろうか。映画を観ている私たちが分析(解剖)に携わっているよう。でも真実ははっきりしないまま。
夫サミュエルが転落死する前日に録音されていたという夫婦のいさかいを聴くと、夫が不憫でたまらなかったです。自尊心もボロボロ。傷口に塩を塗られたようなもの。仕事ができてベストセラーのサンドラは知的で冷静。バイセクシャルなので中性的でもあり、男が家に2人いるような感じ。サミュエルの精神科医が「去勢されたようなものだ」とサミュエルから聞かされたのもうなづけます。
以前読んだ誰かのエッセイに、芸術家同志のパートナーは不幸になる、みたいなことが書いてあり、そのことも思い出しました。
サンドラ・ヒュラーが見事に主役を演じていました。彼女だからこそ、この映画の良さ(もやもやさ?)が充満していたのでしょう。
パパが死んだ時はベッドで泣きじゃくっていたダニエル、最後は法廷で堂々と「車の中で父と語ったエピソード」を証言し、短い間に成長したなと感じさせられました。しかし、その証言ももしかしたら、ダニエルの作り話かもしれない、といった思いもありますが。ダニエルの証言で閉廷になったようですが、実際は証拠不十分で無罪となったのでしょう。
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humさんのコメント
2025年2月12日
両親の尊厳を守れる立場にいるのが自分であること、そうして生きていかなければならないことを察したようなダニエルでしたね。
全部をわかっている犬のまなざしが何とも言えない余韻をのこしています。