「ただのサスペンスではない‥くらいの前知識で観に行ったけれど、とても...」落下の解剖学 かおりんさんの映画レビュー(感想・評価)
ただのサスペンスではない‥くらいの前知識で観に行ったけれど、とても...
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ただのサスペンスではない‥くらいの前知識で観に行ったけれど、とても良かった。
この曖昧な現実を、我々はいかに思い込みでジャッジしているか、考えさせられた。
主人公が有罪なのか無罪なのか、気づいたら惹き込まれていて、最後にはぐらんぐらん揺さぶられた。
最初は、まぁ無罪なのだろうな雰囲気だけど、主人公の微妙な性格やネガティブな本性が見えてくると有罪かもと思い、そして夫婦喧嘩のシーンは圧巻でどちらの言い分も理解できるし、回想と現在の切り替えも秀逸だと思ったりしながら、裁判で無罪の判決が出てもなお、やっぱり殺ってるんじゃないかと思わされたり、最後に犬が寄り添うシーンでは、やっぱりいい人だったんだ、無罪なのか‥と思ったり。
友人弁護士といい雰囲気だったのに、じっと目を見つめたあと離れたのは、彼に有罪だと思われていることを主人公が気付いたからなのではとか。
結局、真実はどうでも良く、どう思われているかが我々の現実には威力を持つということがとてもリアルだったし、面白いと思った。
息子くんの供述がお父さんの口パクとピッタリ合っていたのも面白い演出だったけど、あれで息子は、今後の生きていく未来を考えて、お母さんを無罪にしたんだと思ったりした。
最終的に、誰も真実などどうでも良くなったのかもしれない。
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