「すごい映画」落下の解剖学 TK_Filmさんの映画レビュー(感想・評価)
すごい映画
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犯罪モノでアクションも無さそうだしヨーロッパ映画だし難解で退屈しちゃうかもな…と思ってたら全然そんなことなかった!
3時間があっという間に過ぎたと思うくらい、飽きさせない作品だった。美しい景色の中、事件が起こる家は平穏に見えるけど、実は冒頭からじわじわと怪しさが伝わってくる。日常とか「普通」に見えることが、殺意にまでおよぶ凶悪さを内包しているとしたら…死んでかわいそうなのは夫だけど、夫婦関係に困惑させられて傷つく子どももかわいそうだし、犬なんかもっとかわいそう。殺人の嫌疑をかけられた妻もかわいそう?
真実よりも、「可能性」があること自体が怖い。想像できることは何でも実現できる、という考え方があるけれど、誰かの不幸を想像したことのない人なんているんだろうか。誰もが不規則発言しまくりの裁判で、回想なのか仮想(嘘か仮説)なのかわからないフラッシュバックのようなシーンが混ざり合うところは圧巻だった。
なお、残念なことに、映画館に赤ちゃんを連れてきた人がいたようで、上映中に何回も赤ちゃんの声が劇場に響いていた。赤ちゃんを3時間も暗闇に閉じ込める人の気がしれない。
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