「それでも彼女の心の奥底に積もる雪解けは程遠いだろうと感じた!」落下の解剖学 The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
それでも彼女の心の奥底に積もる雪解けは程遠いだろうと感じた!
雨、そして雨。レイン&レイン。
ほんのちょっぴり御日様射してきて~ウレピ-(*´ω`*)
でも洗濯物がぁ 乾かへんやないかぃ・・・
あ、そうだ! そんな気分が凹む時は 映画を観よう!
という言い訳の流れで、
今日は「落下の解剖学」観に行きますた。
このタイトル、きっと難しそう そう思った貴方、 正解です。
まんまと パルム・ドール受賞、アカデミー賞ノミネ-トの文字に踊らされましたね。大丈夫、私もその一人。
原題からすると 翻訳は”転倒の解剖学”、転倒なんですね。
でもワザワザ ”落下”に変えてます。その時点で少しネタバレなんですね~キット。
正直な気持ち 想定してた内容とは異なってましたわ。(。´・ω・)?
もっと深い雪山の山荘サスペンスなんかと思ってたが・・・違った。
人の見えない深層心理に迫る ダレトクでもない裁判の話でしたゎ。
------
とある人里離れた雪積もるフランス山荘に住む夫婦と息子、3人家族に起こる心の葛藤と引き起こされる悲劇。
ある日、夫(サミュエル)が家の屋根裏窓から落ちて死亡。果たして事故か?自殺か?他殺か?
それを巡って、妻(サンドラ)に疑いをかける検察側と、無実無根を訴える妻側。それの裁判の行方をゆっくりと話展開してゆきます。
一番心揺れ動くのは 夫婦の息子(ダニエル)、事故で視覚障害になった事で学校にも行きづらく、家でも両親の些細な喧嘩(言い合い)に堪えている。彼の唯一の味方盲導犬役(スヌープ)だけであった。
果たして、彼女(母)は無実なのか。
-------
まぁ良くもこんな 無味無臭な夫婦に良く起こる 些細な出来事を
穿って話立てして展開広げたなと感じました。
凄く静かに、そして山荘に漂う空気感がそのまま 場内に流れているのを感じます。裁判所での息子の最後の証言に 息を飲みます。
それは きっちりとした感情の裏付けがあり、紛れもない証だったであろうと感じました。
映画中に出てくる、”俺にも時間が欲しいんだよ~”・・・夫の訴え。共感した方も多いのでは。この一見不平等と思える訴えが 総てを現わしていそうです。
映画館で映画を良く鑑賞されるアナタは、パートナ-や家族に”また映画かぁ~”って言われてませんかw。
ちょっとネ、映画観て自己嫌悪になったりしそうです。
昨今、子育ては夫婦でとか推進派が多い中 本当にそうなるとどうなるの?
ちょっと未来はこうなる事も有りそうな・・・。
夫も部長、妻も課長とか。晩婚で子供が出来たら同じような事が勃発しそうな展開を垣間見た次第。
最後に裁判で無罪判決を受けた彼女が、”勝ったら何かご褒美が貰えるのかと。”
この言葉の意味。 きっと心の何処かに愛される思いを描いていたんでしょう。そう成らなくて、犬の傍で寝る淋しい彼女。いたたまれない思い。
あと少し、ほんの少しだけでも夫に対して丁寧に向き合って心の会話が出来ていたら、きっともっと夫婦の絆は切れずに繋がっていたと思います。
久し振りのフランス映画、寝そうで寝ないで観て下さい!
コレわっと、思った方は劇場へ。