「証拠が無い場合、どう裁くのか。主役より子供と犬の名演が印象的。」落下の解剖学 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
証拠が無い場合、どう裁くのか。主役より子供と犬の名演が印象的。
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証言や、録音など、次々に提示される中、なかなか真相がわからない展開に、150分の長さを感じませんでした。
最近、「結末は観客に委ねる的な」真相の直前でブラックアウトしてエンドロールという映画が多い気がしていて、本作もそうなるのではという予感がしていました。
個人的には、それでは、意見を提示せず観客のせいにする作品、脚本、監督が無責任だと思っています。
結局、本作では、裁判の結果は描かれますが、「真実」は描かれません。
劇中でも証言や録音の映像化はあっても、回想シーンはありません。
仮にラストで回想シーンで、本当は・・・と明かされても興ざめするだけなので、この結末には納得します。
真相は、本人しか知らないわけで、観客は劇中の被告人以外の人々と同様に、それまでに提示された情報、息子の証言を元に想像するしかない。
本編のセリフにもあった、有罪か無罪か判断が難しい場合でも、明確な証拠がない場合は、それまでの状況から、判断するしかない、というのと同じ状態に、観客も置かれることになって終わるのが素晴らしい。
主人公の妻の熱演よりも、目の見えない息子の名演に注目。
さらに、飼い犬のスヌープの名演技に見入ってしまった。
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