劇場公開日 2024年2月23日

「言い争いは、大概なすりつけ合い」落下の解剖学 こびたさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5言い争いは、大概なすりつけ合い

2024年2月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

家族の中にあるドラマを立体的に描いていき、判決間近のある証拠で、そこで「起こっていた像」が明確になる。夫婦間の再帰性。途中も引き込まれながら見ていたが、そのシーンでつながって腑に落ちる感がすごかった。あの自分の抑圧したものを相手になすりつけ合い争う感じ、人間は(つまり自分は)これをやるよねと思わせられるところ満載で胸が痛くなる。
ダニエルはエディプスだったのか。それとも象徴的な意味において誰もが殺し合うこの家族の深層の中で彼は「ファクトで判断する」メンタリティを得てここを脱出する道を選んだのか。この謎を残すことこそが、其々が自分の現実を生きているという事実を表現してるのかな。噛みごたえのある映画だった。

犬が可愛いくてすごいに1票🐕

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こびた