枯れ葉のレビュー・感想・評価
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つつましく、たくましく
基本的なストーリーは古典的。
しかし、人物に魅入ってしまい、途中でもどかしくなってしまうこの感覚、見せてくれる映画です。
老いが見え始める年と、ラジオから流れるウクライナ情勢。自分も50を過ぎ、共感maxです。
つつましく、それでもたくましく生きて行くことに勇気をくれる映画でした。
パーフェクトデイズと並び、つつましく生きる勇気を与えてくれる映画です。
小さな幸福の時間が過ごせたと感じられる
全てが少しずつ疲弊した世界を舞台に、始まりそうで、なかなか始まらない大人のラブストーリー。
どこかほんの少しずつユーモラス。
いいかげんお酒はやめなさいと思い、終始、どうか上手くいってと祈りながら見守る。
ちょっとだけ見せてくれるヒロイン(という言葉にいささか照れる)の笑顔に癒される。
観終わると、なぜか小さな幸福の時間が過ごせたと感じられる。
ラジオに流れるウクライナ戦争の惨状は、映画に残されたささやかな抵抗の記録だった。
枯れ葉よ
アキ・カウリスマキの新作。例によって中年の冴えない男と女の物語だが、今回は、どちらも美形。仕事を無くし、恋も無くす。しかし又ふたりが寄り添うように戻って行く所がグーと来た。これはある意味「歌謡映画」。
ようやく出会えたささやかな幸せ
ロシアとウクライナの戦争が続く時代。
労働者の生活はより厳しくなっていた。
終始、笑顔を見せなかった主人公が
ささやかな幸せを見つける。
戦争のニュースで疲弊し、この世を信じられなくなった時に、
現れた一筋の光に見えただろう。
彼は愛のために、自分を犠牲にした。
世界も何か変わるのではないかと思わせられるラストだった。
人々には生きていかないといけない現実がある。
その中で何を大切にするか、思い知った映画だった。
希望を見失っても絶望はしない。なぜならそのに光は差すから。ラジオか...
希望を見失っても絶望はしない。なぜならそのに光は差すから。ラジオから流れるウクライナ情勢、カウリスマキは映画をつくらずにはいられなかったのかも。
音楽愛、映画愛にもあふれた素晴らしい作品。ジャームッシュゾンビ笑。
いつものやつ
よくこんなつまらない内容のないような貧乏くさいもの延々と作っているよな〜と
だけど画面に惹かれるセンスが鏤められていて、いやセンスの塊とわかるんだけどね
これがくせになっちゃって面白がってハマってる人はあたしだけじゃないんだなと満員の観客席で薄笑い
あ、初めてアキ・カウリスマキ観たのもここジャックアンドベティだった…「ルアーブルの靴みがき」
アキカウリスマキにしたら朝飯前みたいなシンプルな中年のロマンスなんだけどね
ではどうして彼が引退を撤回してまでこのシンプルなひと作品をサクッと作ったのかをはたと考えた
それはロシアがウクライナに対してあってはならない戦いを仕掛けたことを記しておかなければという使命だったのではないかな…
今回の1番のツボはデートの映画が「デッド・ドント・ダイ」だったことwww
あと「妹です・・・・宗教上の」のセリフwwwそして彼女が着ていた水色のコート
お正月に『パーフェクト・デイズ』とこの作品を続けて観たんだけど
どちらも大好きな監督であり
日本人の心情をよくご存じの本当に素敵なふた作品でした♡
自分には合わなかった感じの作品。 本年度ベスト級。
評価も高いし集客も多目。
本作の監督の作品ははじめて観たけど全く自分に合わず。
というか素直過ぎるストーリーに満足度は低め。
生意気なレビューで申し訳ありませんm(._.)m
良作を彷彿とさせる美しい映像は素晴らしかった。
捻りの無いストーリーに感動も共感も無し。
コメディ映画の認識で鑑賞するも、そんな雰囲気も無かった。
お酒を飲みながら仕事をする男。
理不尽な理由でスーパーを外国され仕事を転々とする女。
こんな2人のラブストーリー。
なんの捻りも無いストーリーはストレスフリーなんだけど、何だか物足りない(笑)
だけど映像は一級品って感じ。
映像や音で何が起こるのかが解りやすい親切設計。
かなり古くさい映像なんだけど、ラジオから流れるウクライナ情勢のニュースが不思議な感じ。
本作の監督の事を詳しく調べたくなった。
ラストシーン。
歩く速度がちょっと早くね?
と思ってしまいました( ´∀`)
人生のハーフタイムぐらいの男女、 いちど出会って惹かれるものの、な...
人生のハーフタイムぐらいの男女、
いちど出会って惹かれるものの、なかなか巡り合えずにやきもきする、可愛らしい物語。
新作のはずですが、古き良き薫りといいましょうか
まるで昭和のようなラジオ、連絡先をメモ紙で渡したもののすぐに紛失、とか、
往年の傑作のような匂い、いい味だしていました。
上着を貸してくれ。大事な会合があるんだ。
フィンランド、ヘルシンキ。ラジオから流れる多くのウクライナのニュースのおかげで、現代の話だということはわかる。だけどどこか懐かしい。そんな古めかしい町で、無口で常に生活に不満を抱えている様子の二人が出会う。シリアスそうな空気の中にあるズレた間や会話は、なんだかシュール。北欧のセンスなんだろうな、こういうの。時代に取り残されたこの停滞感、日本で言えば北海道のかつて栄えた地方都市のようだ。旅をするにはノスタルジックで萌えるけど、ここで暮らすのはしんどい。恋の仕方だって、レスポンスのいい現代では耐えられないもどかしさ。そのもどかしさこそ、恋の妙味という向きもあろうが、僕にはなんだか物足りない。
アル中男とレジ打ち女性のラブストーリー
2024年初映画館をこれに…失敗😵💧
仕事中でもアルコールを飲むことで、定職に就けないアル中オヤジと、レジ打ちで賞味期限切れの商品を持ち帰ったことでクビになり収入が途絶えた中年女性の話(場所は北欧 フィンランド?)
二人はとあるバー🍸✨🍸で知り合い、電話番号を女性→男性で紙で渡すが男性はそれを失くしてしまう…
男性はバーや、映画館(ゾンビモンを二人で観ていた)で彼女を待ち続けるが…
男性はそのストレスもあってか益々アルコールにのめり込む…
彼女の為にアルコールを断ち、彼女にそれを電話で伝えた後に電車🚃に跳ねられ、男性は意識不明に…
時間も短く、シチュエーションもあまりにも安っぽく、満足感は得られなかった
労働者でも恋愛したっていいじゃない!
ヘルシンキの片隅でひっそり労働の日々を過ごす男女。少し昔の日本なら、絶望自動車工場やヨイトマケの唄の世界。昔ユーミンが「商業学校に通っているような人には聴いてほしくないない」と言ったとか言ってないとか、、、とにかくそんな一見絶望的な世界の片隅に歌と恋愛という素晴らしい花を添えるのがカウリスマキの極上の技。この世は絶望的だけど絶望する必要はない、なぜなら人生はドラマのように素晴らしいという優しいメッセージにあふれています。
個人的には主人公と友人のやり取り「なぜ酒を飲む?憂鬱だから。なぜ憂鬱なの?酒を飲むから」は身につまされます。あと挿入歌のスパイス・ガールズの曲がこの映画にピッタリはまっていて素敵です。
何度でも観る価値がある映画だと思います。
温もりを求める二人の姿
必要最小限の言葉のやり取りで紡がれる中年低所得者同士のパートナー探しの展開は、どことなく大戦前ヨーロッパ不況時代を描いた、欧州の諸作品を思い出す。
あと、白黒時代の日本映画っぽくもあり。
新しいけど懐かしい作品に仕上がっていました。
フィンランドだと、ロシアのウクライナ侵攻のニュースは我が事のような関心で、庶民にもラジオで状況を伝えられるのだな、と。
そこから時代の怖さ・寂しさを感じさせられ、だからこそ酒に逃げたり、誰かの温もりを追ったりするんだなとも思わされました。
現実のアル中はどんなに更生したふりをしても、すぐにアルコールに手を出すから、物語のキャラであっても嫌悪感を最初に覚えるのだけれど。
この作品はそういうリアリティよりも、精神性に軸足があったように感じたので、案外嫌じゃなかった。
傑作とまではいわないが、かなりの佳作でした。
何も足さない、何も引かない。良質な短編小説のような美しいロマンス映画
昨年(2023年)は小津安二郎の生誕120年、没後60年にあたる。この年に小津好きを公言するヴィム・ヴェンダースとアキ・カウリスマキの新作が公開されたのも何かの縁だろう。もちろんスタイルは異なる。ヴェンダースがコマーシャルベースにのった世間受けする企画モノを撮るのに対して、アキは小津よりもっと小津らしく市井の生活を題材として切り取って作劇化する。小津は自分の価値観、美的感覚に拘った作品を一貫して作ったが、アキは社会問題なども適当に折り混ぜながら人間ドラマを精緻に作り込む。本作でもロシアのウクライナ侵攻のニュースがラジオから何度も流れ時代を反映させているが描かれるのはややトウのたった男女のオールドファッションでシンプルなボーイ・ミーツ・ガールである。でも脚本も演出も徹底的に磨き込まれ無駄の部分はまったくない。主演のアルマ・ポウステイによるとアキは20日で脚本を書き20人のクルーで20日で撮影を終えたそうだ。シンプルの極みである。アルマはまたインタビューで「何も足さない」演技を心がけたと言っている。笠智衆が小津に「何もするな」と言われたという逸話を思い出した。もちろん主演の2人は監督の狙いを十分に表現するミニマムながら素晴らしい演技である。棒読みでかつ無表情で冗談を言うから妙に面白みがあるところは毎度のカウリスマキ節というところか。
画面は単純だけど印象的な色彩が乗っている。例えばアンサのコートの水色。
絵やセリフ、音楽が相乗して全体としては良質な短編小説のような印象がある。シーンが変わるたびにページをめくるような効果。そして我々はこの美しいロマンスをあたかも小説を読むように味わうことができるのである。
落ちて踏みつけられてるというよりは、枯れても枝にしがみついている感じがする
2024.1.3 字幕 京都シネマ
2023年のフィンランド&ドイツ合作の映画(81分、G)
理不尽な理由で解雇された女性とアル中の板金工の邂逅とすれ違いを描いた恋愛映画
監督&脚本はアキ・カウリスマキ
原題は『Kuollet Lehdet』で「枯れ葉」、英題は『Fallen Leaves』で「落ち葉」という意味
物語の舞台は、フィンランドのヘルシンキ
スーパーで働くアンサ(アルマ・ポウスティ)は、廃棄食品をホームレスにあげたり、自身で持ち帰っていることに目をつけられていた
警備員から店長に報告が上がり解雇となったアンサだったが、その方針に意を唱える友人のリーサ(ヌップ・コイブ)も一緒にやめることになった
一方その頃、板金工場で働くホラッパ(ユッシ・バタネン)は、アル中に悩まされ、仕事中にも隠し持っている酒を浴びていた
ホラッパは同僚でカラオケ好きのフオタリ(ヤンネ・フーティアイネン)に強引に誘われたカラオケパブにて、アンサと出会う
その時は会話すら交わさなかった二人だったが、偶然の再会を機に、映画館に行ったりするようになる
だが、アンサから渡された電話番号のメモを失くし、それによって関係は中断してしまった
ホラッパは彼女と行った映画館の前で出待ちをするようになり、アンサは夥しい数の吸い殻を見て、彼がここで待っていることを知る
そして、ようやく再会を果たした二人は、今度はアンサの家で食事をしようと約束を取り付けることになった
映画は、パッと見では時代を感じさせるものの、劇中で流れるラジオの内容は「まさに今」という感じで、ウクライナ戦争の余波を受けていることがわかる
二人の年齢ははっきりしないが、印象的には30歳前後で、身を固めてもおかしくない年のように思える
ホラッパはフオタリに「昨日、結婚するところだった」というように、彼の中にはその後が頭の中に入っている
だが、アンサは「アル中とは結婚できない」ときっぱりと言い放ってしまう
物語の動きはさほどなく、二人がいかにしてすれ違うかをコミカルに描いていく
だが、後半のトラム(路面電車)に轢かれるあたりから急展開を迎え、ホラッパは生死の境目を彷徨い始める
フオタリを見つけてホラッパに辿り着くアンサだったが、彼の枕元で何をするのかと思えば、クロスワードパズルを解き始めたりする
そうして奇跡は起こり、という内容になっていた
映画は、すれ違いの妙を描き、ほんわかとした雰囲気の背景は大ごとになっている感じで、戦争で景気が悪いのか、元々悪いのかはなんとも言えない感じになっていた
現代劇だが古さを感じる内容になっていて、ラジオの音声を変えれば1980年代にも見えてくるから不思議である
原題のタイトルは「枯れ葉」だが、英題では「落ち葉」になっていて、このニュアンスの違いは結構大きいと思う
普通の人生から「落ちてしまった」のか、普通の人生に「枯れてもしがみついているのか」という違いがあり、本編を見た感じでは「しがみついている」ように思える
なので、印象的には「枯れ葉」のイメージがあるのだが、「枯れ葉」を英語にすると「Dead Leaves」「Dry Leaves」になってしまうので、これまたイメージとは異なってしまう
個人的なイメージでは、なんとか仕事に就こうとしているし、アル中を直そうとしているので、「枯れているけどまだ木にしがみついている葉」という印象がある
枯れた葉はいずれ朽ちて落ちてしまうと思うが、その時まで懸命に生きていこうとしている
また、二人は「隣あっている落ちそうな枯れ葉」というイメージがあって、ともに落ちてしまっても、朽ち果てるまでは添い遂げていけるのではないだろうか
いずれにせよ、枯れている原因が本人たちよりも国の情勢や政治にあるようにも見えるので、それを暗に批判しているのかなと思う
フィンランドのNATO加盟が4月で、本作の本国公開は12月
なので、NATO加盟後に公開されているが、それだけでは変わらない国内情勢というものがあるのだろう
そんな中でも健気に生きる人々がいて、普通の生活から降りざるを得なくても何とか風雪を凌いで生きている
それを考えると、ラストで起きた奇跡は神様からのギフトなのだろうか
いつの時代にも抗えない時代の波というものがあるので、そんな中でも太陽を浴び続けようとする姿は微笑ましく思えるのではないだろうか
昭和枯れ葉スキー
北欧フィンランドの首都ヘルシンキで貧しい労働生活を送るアンサとフラッパ。ラジオからはウクライナ戦争の状況が流れてくるが、街並みやスマホのない生活は昭和40年台?という感じか。
そんな中年二人のすれ違いを描いた純愛ラブストーリー。日本のダメ政治家や頭の悪そうなギャルとかを一瞬忘れさせてくれました。。
中年男女のラブストーリー
孤独な女とさえない男がカラオケバーで
出会い、お互い惹かれ合うが、、、
すんなり恋には落ちず、
不運な風や、不幸な事故を乗り越えて、
静かに幸せな気持ちになる。
音楽や色使いも特徴的だった。
この監督の他の作品も、観てみたいな!
初めてミニシアター系の映画館にて。
お正月&サービスデーの曜日でもあり、
満席でした!
どこか差し込まれている人たちの日常的な沈鬱さというものは、言葉では...
どこか差し込まれている人たちの日常的な沈鬱さというものは、言葉では簡単に表現できないだけに、それを上手に拾いあげていた。それも、気を付けて抑揚が抑えられているからであり、表現された瞬間に観客が参与する余地のないような感情表現が避けられているので、教訓的な感じにげんなりすることなく、沈鬱という日常的な軽さが持つ空気感に入りながら、この映画が表現し、持つ、美しさが汲み取れたように感じた。
24-004
フィンランドの巨匠が描くラブストーリー。
日常を逞しく生きる女性と
酒に溺れてる危うい男。
お互い何となく惹かれ合い、
言葉と行動を共にする。
幸せは近くにありそうで、離れていく。
手繰り寄せるのは簡単ではないが、
2人の赤い糸は繋がっているんですね。
シニカルな笑いを挟みつつ
独特のリズムの作品を堪能しました。
こうして2匹の野良はやり手女に引き取られた。
男なんて豚以下と知った賢明なアンサはブレることなく、
男以上の勤務に精励し、独り生活の向上を楽しんでいた。
それは日常的にウクライナの悲報がラヂオから報道され、
フィンランド化ではロシアの執拗な侵略を防げない。
この恐怖の宣伝に対応した決死行動と同じことになのだろうことを予感させた。
そんな中、トラム事故で意識不明となったアル中ホラッパの断酒継続と野良保護活動がそれだ。
ラストは、退院する二人の身なりも新たとなり、
アンサが大黒柱とした家族の後ろ姿に2匹が纏わり付き、微笑ましく街路並木は枯れ葉が舞っていた。
それにしても、
冷徹なアンサの顔が微細に微笑む度に細やかな幸福を感じ、
北欧女の可愛いさと強さに豚と化した男の負けを感じる。
難解な作品ですね。
(о´∀`о)
枯れ葉
フィンランドの名匠アキ・カウリスマキが5年ぶりにメガホンをとり、
孤独を抱えながら生きる男女が、かけがえのないパートナーを見つけようとする姿を描いたラブストーリー。
カウリスマキ監督による「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」「マッチ工場の少女」の労働者3部作に連なる4作目で、
厳しい生活の中でも生きる喜びと誇りを失わずにいる労働者たちの日常をまっすぐに映し出す。
フィンランドの首都ヘルシンキ。
理不尽な理由で失業したアンサと、酒に溺れながらも工事現場で働くホラッパは、カラオケバーで出会い、
互いの名前も知らないままひかれ合う。
しかし不運な偶然と過酷な現実が、2人をささやかな幸福から遠ざけてしまう。
「TOVE トーベ」のアルマ・ポウスティがアンサ、「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」のユッシ・バタネンがホラッパを演じ、
「街のあかり」のヤンネ・フーティアイネン、「希望のかなた」のヌップ・コイブが共演。
2023年・第76回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。
( ̄∇ ̄)
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