劇場公開日 2023年12月15日

「感情を排した先にある、淡々とした心地よさ」枯れ葉 ひでぼーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0感情を排した先にある、淡々とした心地よさ

2023年12月30日
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鑑賞方法:映画館

労働者階級における、中年のシンプルな恋愛を描いた作品。
ほとんど感情表現がなく、セリフと虚ろな目線で語られるので、どこかロボットのように感じられるが、人間の器として逆に奥底の深いものが表現されている感覚がある。
ところどころに皮肉めいたユーモアがあり、くすっと笑えるところが、ちょっとしたスパイスとなる。

直近のPERFECT DAYSとは、同様な職業を扱い淡々とした、という点では似ているが、あちらは優雅でのびのびとした世界観、綺麗な面(だけを)描いているが、こちらはよりリアルに労働者を描いており、社会性を反映したものとなっている。

恋愛を扱っていることで、重すぎず、心地よくみることができる。
途中、電車で見送るシーンは、まるでシンデレラの馬車のようであった。

年末に落ち着いて観るにふさわしい作品であった。

2023年劇場鑑賞119本目

ひでぼー