「クラブゼロの笛吹き女」クラブゼロ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
クラブゼロの笛吹き女
まさかのクリスマスムービーでした。
導入段階でのノヴァクの教えは何の問題もない。
必要以上の摂取を控え、身体に悪いものを避けることで、環境にも自己の心身にも良い影響がある。
断食についても、期間や手順など正しいやり方であれば本当に効果的だと聞いた。
しかしこれを段階的に極端な方へ、しかも悪意なく導いていくところが非常に厄介。
まぁ実際、“餓死”という無数の前例を意志の力ひとつで覆せるハズはなく。
親たちは頭ごなしに否定せず、放置した上で管理下に置いておけばよかっただけだとは思う。
(ぶっ倒れたところで栄養点滴ぶち込んで、説得)
親として難しいとしても、全家庭あれはちょっとなぁ。
この辺は宗教よりは簡単に感じもするが、盲信相手には無力というのは共通したところか。
シュールな笑いも嫌いじゃないが、後半よく分からない要素が増えてきた。
グレンがチョコバー食べてた件はほぼ触れられない。
そのグレンとキス寸前までいったフレッドは、何事もなかったようにノヴァクとキスするし。
教えを拡大解釈して「母親をガンにも出来るし午後に雨を降らせることも出来る」とか言うエルサが怖い。
ベンの急転換は逆にリアルなのかなぁ。
フェードアウトしたと思ったヘレンがラストカットで重要な役割を担うのは上手かった。
エンドロール中まったく身じろぎしないのも凄い。
(合成かと思ったら、まばたきはしてた)
構図は最後の晩餐っぽかったけど、そしたら2人足りないし、意味深にずっと映して役者さん大変だなぁ。
食事シーンはなかったけど、ノヴァクは本当に食べてないの?
コメントありがとうございます。
罪悪感などの葛藤は、私も少し足りないかなと思いました(さすがに転向したばかりのベンは母親の前で申し訳なさそうにしてましたが)。
これダメだろと自分が思うものが物語の中で悪いものに位置付けられないまま終わる感じで消化不良というか。
ノヴァクは食べてるんやろなあ……と私は思ってました(笑)二の腕ムチムチしてましたし。