「不穏なのにポップな町の風景はよかったが…」アステロイド・シティ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
不穏なのにポップな町の風景はよかったが…
ウェス・アンダーソン監督作品はあまり慣れていない。前作の「フレンチ・ディスパッチ」とデビッド・ボウイカバーのサントラ先行で観た「ライフ・アクアティック」くらいか。考えてみたらあまり響いていない。
本作は、宇宙人が到来した町の混乱を描いた作品だから少し期待してしまった。でも、舞台劇をスクリーンで見せるかのような演出。全体的に平面でポップで派手な色合いの舞台設定。科学賞を受賞した少年少女の家族たちが集まった町ということで話も群像劇っぽい。
近くで核実験が行われ、車での銃撃戦が頻繁に起こり、科学賞が軍事利用するためのものだったりする。さらには宇宙人の到来に対するマニュアルも敵国との絡みを重視する。冷戦真っ只中のアメリカを皮肉るかのような描写が印象的だった。いや、ここから何かを感じ取れればよかったんだけど。結局その不思議な世界観に飲まれたまではよかったが、今一つ響かなかった。シュールすぎるんだよな。好みの雰囲気は十分あるのに。
町に生息する不思議な鳥も何かを示唆しているのかも?と思ったが何も感じ取れなかった。あの踊りがかわいかったなって程度。映画好きの猛者たちはこの映画から何かを感じ取ってるんだろうか?
でももうウェス・アンダーソン作品は観まい!と思うこともできない。また、挑戦する日が来るのだろう。
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