劇場公開日 2023年9月1日

「ウェス・アンダーソン作品とわたし」アステロイド・シティ TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ウェス・アンダーソン作品とわたし

2023年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ファーストデイ、ウェス・アンダーソンの新作初日となれば、19時半からのシャンテ・スクリーン1は予想通りのフルハウスです。私も前日の「日帰り大阪出張」などの影響もあり若干しんどかったですが、強めのアリナミン錠剤をMAX服用して参戦しました(笑)。
最初に断っておきますが、私自身はウェス・アンダーソン作品について日本で観られるものはほぼ観ていますが、正直「良い」と思える作品は一部(数作品)です。特に、コメディ色が強めな初期の作品は途中で飽きてしまうことさえあるくらい。それが『ファンタスティック Mr.FOX(11)』くらいから徐々にメッセージ性の方に惹かれていくのですが、前作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(22)』くらいまでいっちゃうと、またちょっとメッセージ性へ振りすぎてて苦手だったりします。
で、今作に対する印象ですが、まず雰囲気として初期作品に近いテイストに近いような気がします。ただ、シュールさや悪ふざけ感は若干抑え気味。ま、その辺の悪ふざけ感は主に初期作品常連の、オーウェン・ウィルソン、ビル・マーレイあたりの影響も強いと思うのですが、今作は彼らのようなアクが弱い分「観やすい、が、薄味」というどっちつかずで微妙な印象です。また、今回も英語弱者の私にはしんどい「言葉遊び、或いは長台詞による言葉攻め」のシーンも多く、それらの言葉から文脈や行間を読み解くのはかなりなハードルなため、それをただただ聴いていて少々ボーっとしてきます。目をこすりながらも「アリナミン飲んでおいて良かった」と思いつつ、ふと気づけば隣のお兄さんは何度か落ちそうになっていました。
結局のところ、ウェス・アンダーソン作品を観ているとコメディを理解するのはやはり難しく、メッセージ性があってこそ理解の助けになるのだと改めて気づくのですが、それでもウェス・アンダーソン作品に高い点を付けないこと自体「解ってない」と思われるのではと考える自意識。でも、解ったふりする方がよっぽどカッコ悪いし、そんな自意識に揺れつつも、自分は「好み」と言う目線で評すると、オシャレだし可愛いしたまに笑える、でも、総合的には、「それなり」かな、と。作品を否定する意図はないので、ファンの方には申し訳ありません。

TWDera