劇場公開日 2023年5月13日

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いずれあなたが知る話のレビュー・感想・評価

全8件を表示

3.0 わからなかった

2025年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

新人または映画好きが撮った作品だと思ったら、端然とした名前のある監督作品だったことに驚いた。
解説にあったノワールサスペンスというジャンル
この作品で描かれている闇 カメラ男イサオ 原田母子の母ヤスコ
冒頭、ヤスコがイサオのたばこにクレームを入れるシーン
ヤスオがこの「アパートの住人と初めて言葉を交わした」のかと思ったら、最後のナレーション「隣人を殺してしまった」は完全にヤスコの言葉だった。
そうであるならば、いくつかあったナレーションはこの二人のいずれかのものだと思われるが、概ねそれらは二人の共通した内容だったのかもしれない。
意味があるようでどうでもいいことを日記にするようなナレーションは、実際誰の何だったのだろう?
イサオの心の闇は母という人物のトラウマで、絶えず兄と比較され褒められたことがなかったことだったように感じた。
ヤスコの家庭を覗き見ることで起きる妄想に、イサオは登場しない。
イサオの想像はヤスコと一緒に暮らす客のシゲルであり、アヤトの三人だけだ。
この狭すぎる想像こそ、イサオの住む世界なのだろう。
1時間8分という長さの映画だが、長すぎる尺がいくつもあり、これが素人っぽさを感じた理由だろう。
カメラワークも少々変わっているし、撮影のために仕込んだものは部屋の内装程度ではないのかと感じさせることも、素人さを醸し出していた。
さて、
東京という大都会の片隅で、トラウマを抱えながら暮らすイサオ
冒頭のサイレン このサイレンは老女の庭先でも聞こえてきたが、この音はイサオの精神状態が崩れる警告音なのだろうか?
そこに飛び込んできたヤスコのクレーム
イサオの精神状態が悪化していくのは、シゲルを待ち伏せしたシーンに現れていたが、ヤスコを守りたいという勘違いにも表れる。
そしてイサオはあの老女二人を刺し殺したのだろう。
その血はアヤにまで付着している。
ところがそのアヤを自分の部屋に連れてきてわらべ歌を聞かせるというのは、サイコでありながらもかなり破綻した設定のようにも感じた。
そもそもアヤは何が起きたのかという客観的事実を理解しているはずであるにもかかわらず、平然としている。
しかし、そこはまだ納得できる。
問題はヤスコだ。
どういう理由かはわからないが、ボロアパートに娘二人で住むが、当然お金に困窮する。
職も決まらず、風俗サイトに応募した。
そして、
生活費に苦労することはなくなり家財道具もそろってきた。
そこに挿入される尺の長い楽しそうに掃除するシーン
ここに感じる違和感は、物語性の中に存在する自己認識への挑戦だろうか?
ヤスコにとって風俗店で働いて稼ぐことは間違っていなかったように感じる。
娘の世話も、どこかの老女二人によってWinWinの関係になっている。
保育園の必要も費用負担もなくていい。
しかしヤスコのその心情に現れた「何か」
不安であり未知である出来事に対する手段がわからないのだろうか?
110番通報しようと思う。
ここは揺れ動く彼女の心情であるものの、その揺れる気持ちの正体が今一つわからない。
このシーンの解釈を視聴者に委ねるのは違うように感じた。
ヤスコは言うことを聞かなかった綾を折檻する。
食べ物で遊んだこと その原因は、恵まれるようになったから。
その理由の一つは家にお金が入ってくるようになったことだが、老女たちからお腹いっぱいにしてもらえるようになったから。
ヤスコには「誰かに恵んでもらうようではだめだ」というような思想があるのだろうか?
ヤスコの心情がわからない つかめない。
そして最大の難問 タイトル
「いずれあなたが知る話」
あなたとはいったい誰だろう?
視聴者か?
それとも、ヤスコまたはイサオか?
このタイトルにした意味が一切わからなかった。
10歩譲って、主人公イサオが幼少期に経験したことを知るという意味。
だが全く納得できない。
イサオに対しても表面上のことだけ描かれているが、その心情も少し描かれているが、まったく理解できない。
妄想と幻想に支配されているイサオを見させられているだけでは、腑に落ちないように思う。
加えてイサオに一切拒否し続けてきたにもかかわらず、また彼のアパートにいたアヤ、その衣服に付着した血痕をみながら、彼にキスするという表現は異常世界の中の出来事としてしか受け取れなかった。
残念だった

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R41

3.5彼女たちも観る自分も壊れていた

2024年5月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

大好きな小原徳子さんの脚本・主演となれば観ないという選択肢はない。プロデュースは同じく主演の大山大さん、監督は古澤健さん。

貧しいシングルマザー(小原さん)とその娘を盗撮する隣のストーカー(大山さん)の異常な愛情。

と思いきや。

彼女たち自身も、彼女たちを取り巻く環境、人々も歪だった。皆んな壊れていた。しかしそれに安堵する自分がいた。

そう、何ともかっこ悪い生き様をさらしながら息をしているけど、それでいいんじゃないかと。

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エロくそチキン2

0.5つまらなかった。

2023年9月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

途中から「まだ終わらないのか」と、そして早く終われよと思っていた。
もっと淡々と描けばいいのに、演出らしきものが鬱陶しくなった。
そうした処でやはりつまらないと思うが。

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寝巻

4.0小原徳子初脚本にして、驚愕のラスト!

2023年5月26日
スマートフォンから投稿

#いずれあなたが知る話 は、古澤健監督のノワール・サスペンス映画である。
本作品の特徴としては、全体を漂う不穏な雰囲気と予想が付かない意外な結末である。
ノワール・サスペンスという謳い文句の通り、シングルマザーの靖子、隣人でストーカーの勇雄など、登場人物は一見普通に見えて、それぞれ闇を抱えている。
今回、初脚本の小原徳子は、ストーリーに粗削り感が否めないが、些細な出来事に本スジを織り成す見事な展開である。ここは、初脚本を古澤監督の演出がうまくカバーしてると思われる。
この作品は、68分の中編でテンポがよいので、複数回見ても飽きさせないし、1回目と2回目の印象がまったく違うのも、この作品の良さではないか。
作品以外でも、毎上映後にキャストの方たちから「感謝」と「おもてなし」で、お見送りされるのは初めての経験だった。

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Bird Life

4.0分析することを楽しむ映画。

2023年5月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

幸せ

心地良く気持ち悪い。
楽しく狂気。
このサイケデリック感は癖になります。

謎な人間性に対しても分析を楽しめる。
(おばあちゃん一つ取ってもこれだけで飲みに行けるくらい謎)
こう言っては何だが玄人好みの作品。

カメラワークもストーキング目線で進むのかと思ったら
ん??これは何目線なんだろう?
って思わせるシーンも多く、その謎を解いてゆくのも
面白みのひとつ。

主演&脚本の 小原徳子 が好きそうな物語だなーって
思いながら楽しみました。

リンチやクローネンバーグ的な
初見で何故?をたくさん体験させる面白さもある。

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溶かしバター大盛りポップコーン

5.0好きな作品でした

2023年5月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

興奮

注目していた俳優さんたちが出演していたため観賞。
古澤健監督を俳優たちが起用したとのことで、脚本と俳優陣と監督の相性がとても良く感じました。
闇と毒と愛がどれも感じられ、ラストも個人的にはとても好みでした。
主演や他のキャラクターも良いが、久場寿幸、はぎの一のいやらしさもとても良い。

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アタラント号

2.0みんな秘密がある

2023年5月14日
Androidアプリから投稿

怖い

5歳の娘と暮らしデリヘルで働き始めたシンマと、無職と思しき自称カメラマンの隣人の男の話。

家でタバコを吸う隣人の男に臭いと苦情を入れに行くちょっとヤバそうな女に始まり、今度はその女の娘の写真を盗撮する男とどちらもヤバイ…と思ったら母親の写真も!?

あらすじに記されている弁当屋の件は無かった様に思うけど、デリヘルで働き始めた女がしくじり立場もヤバく?そして男はストーキング!?

ホットケーキミックスからの件はかなり急だったけど、その後の展開へのフリってことですかね…。

最後はおばちゃん2人組の家には何も、なかったのに?という違和感からの唐突なぶっ壊しで、え゛っ!!!
ノワールサスペンスという謳い文句だけどこれじゃあコメディの様な…それまで結構面白かったし直前で一気に高揚したのに、悪い意味で突然落っこととされた感じ。

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Bacchus

5.0ダメ人間のレクイエム

2023年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

試写会にて鑑賞。
写真を志す青年とその隣に住む母娘が主人公のノワールサスペンス。
ビジュアルや予告編から予想していた通りのダークな手触りのサスペンス作品でした。
娘を誘拐された母親がとる意外な行動、そしてそれを隣の部屋から覗き見る男。
人間の普段押し隠しているダークな部分やダメな部分がストーリーの根底に置かれていて、それがストーリーを推し進める推進剤となっているのですが、そうしたダメな人間たちの堕ちていく様を突き放すでもなく、べったりと寄りそうでもなく、絶妙な距離感で描いています。
なので、暗澹とした映画になりそうでいて、実はある種のカタルシスを感じたりもしますし、キャラクターたちの姿に滑稽さを感じ愛おしさすら感じたりもします。
たぶん、自分のなかにもこの映画の主人公たちに共感できる部分があるからなのかもしれません。
我々の日常と地続きでありながらも、ほんのすこしずれたところで起きるとんでもない事件。
観客はそれを劇場のスクリーンから覗き見るように鑑賞することになります。
この作品は役者である小原徳子さんと大山大さんが中心となって役者主導で企画された作品とのこと。
小原徳子さんは今回、初の脚本も手掛けています。
こうした試みが映画の新しい扉をひらいてくれる予感もこの作品から感じました。

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しん
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