「どのジュリアにも訪れる…」ジュリア(s) MARさんの映画レビュー(感想・評価)
どのジュリアにも訪れる…
ピアニストを目指していた老婆のジュリアが、過去の自分があーしていれば、こーしていればこんな未来がやってきていたのかな…と思いを馳せる物語。
人生の、要所と言うべきでもない小さなポイントで、もし少しでも違う展開になっていたら…という風に、主に4つ軸で全く違う4人のジュリアの人生が見せられていく。
なかなかオリジナリティに富んだ作り。ひとつ展開が進むたびにパラレルワールドで動く別のジュリアが交互に見せられるものの、難しげに見えて意外と観易いつくりになっているのはお見事‼
まずはそんな所に感心してしまいました。
そしてそもそもこのIfの物語って展開が好きなので、それも相まってなかなかにのめり込まれさせられる。
わかりますよねぇ~、ワタクシもこんなことよく考えてしまいますもん。そして思い起こせば思い起こすほど、ホントに小さな偶然の重なりで今の自分があるなぁと。うんうん。
そして、ほんのちょっとの運命のイタズラで大きく変わる未来もあれば…どの道を辿っても必ず訪れる未来も…。これは悲しいが運命ですかね。
全体的に面白い作品ではありましたが、個人的にはここで終わっても良かったのかなぁと。。ここから先の展開はいよいよわかりづらくなってきたし、結局本史ってどれだったのか?んで、ポッと出…ってほどじゃないけど、おまいさん結構持って行くじゃない。。
あとは、娘さん。ジュリアに対する気持ちは分かるが、お父さんに対しては何も思わないのか?…寧ろそっちの方を恨みそうなもんだが。。
でもでも、どんな道筋を辿って、全く異なる人生を送っていたとしても、やはりジュリアはジュリアなんだなと。クライマックスはとても素敵だった。
振り返ったり、後悔してることもあるけど、結局は全て今の自分自身ですよね。良い意味でそんなことを思わせてくれて、とても心が洗われた作品だった。