「ナディアがベッキーに見える」GONZA uzさんの映画レビュー(感想・評価)
ナディアがベッキーに見える
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『許された子どもたち』『Single8』の上村侑と、「5人入れ替わり」に惹かれて鑑賞。
正直、いろいろと雑でした。
入れ替わりに際して、直前の行動、身体やケータイの扱いなどに関する確認がない。
プレゼンの準備をしている様子が皆無。
感情の機微も唐突で、(特殊な状況で距離が縮まりやすいと考えても)特にキスに至る流れはよく分からなかった。
細かいが、新人研修でベージュのコンフォートスーツに白スニーカー、赤ソックスはないだろ。
それに、入れ替わってもネクタイやスカーフ、頭髪に乱れがないのは不自然。
序盤のチープな効果音や文字演出が早々に鳴りを潜めるなど、演出の統一感にも欠ける。
オチも、アレだと「GONZA関係なくね?」となってしまうし、ラストシーンも蛇足かな。
“普通”や“個性”に対する主張は分かるが、ストーリーに落とし込めていない。
突然車椅子になった苦労は描かれず、LGBTQはトイレと恋愛に浅く触れた程度。
せっかく5人バラバラの設定にした意味が薄く思える。
ただ、演技に関しては素晴らしく、喋り方から仕草までしっかり“中身”を表現できていた。
ほぼ全編が研修施設内なのに飽きがこなかったところも良し。
それなりに楽しく観られたし、テーマや設定的にもっと面白くできそうなだけに、勿体ない作品。
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